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第331回

《あッほやねん》

2007/12/28

 「先生、とうとう観光庁ができることになりましたね。新聞に出ていました」
  と、学生生活課のMさん。
  やっと、という感じではあるが、とりあえず、来年、観光庁ができることになったということは、いいことなのである。

 世の中には、変なものがある。その変なものを売る、変なヤツもいる。
  店頭に並ぶ売り物の中にも、変なものがある。
「何でこんなものを売っているんだろう?」
っていうような、あえて、変なものを作って、売る、変なヤツがいて、そういった変なものを見つけてきては、買う、変なヤツがいる。

それを、ぼくのところに、持ってくる、という変なヤツもいる。
  年末のこのクソ忙しい時期に、そんな変なものを、研究室で真剣に机に向かってパソコンのキーボードを叩きながら、
悪戦苦闘しているこのぼくのところに、持ってくるヤツがいる。

《あッほやねん》も、そんな変なもののひとつだ。
  持ってきたのは、本学のW准教授。
  「あほやねん」ではない。《あッほやねん》である。
「あ」と「ほ」の間に、小文字の「ッ」が入るのだ。

 食べ物である。森永のキャラメルと同じような大きさの、紙の箱に入っている。
説明書きには、《名称:魚介類乾製品、原産地:宮城県産》と書いてある。

箱の表には、「すっとボケ味」と、味の説明が書いてある。「滋養豊満」「風味無骨」とも書いてある。
箱の中から取り出してみると、ビニール袋に入っているのは、海の幸、「ほや」の干物に味が付いたもの。中身は、それだけのこと。

が、このパッケージに、つい、手が出てしまって、買ってしまう、ということになる人がいるということなのだろう・・・。
箱の裏には、「ほやの冗談ばなし」というのが載っている。
文末に、「やっぱり変わり者そのものの味です。この味覚を是非、いやでも味わってください」と書いてある。

さて、この味は、というと、そりゃ~、旨いかどうかの判断というものは、人それぞれにちがうもの。
でありますからして、興味のある人は、自分で食べてみるっきゃない、ということになるんでありましょうね~。

今年も、残すところ、あとわずか。このHPも、年内は、今回が、ラスト。
最後に、変な話で、失礼・・・。1年間は52週あって、この「秋山秀一の旅行術」は、年に51本。
読んでくださった方に、心から、感謝!!
正月休みがあって、来年、2008年は、11日(金)が最初。これからも、どうぞよろしく願います。

                   *

アンコール遺跡の第2回目。今回の写真の舞台も、バイヨン。
バイヨンには、いたるところに、大きな四面仏、観世音菩薩像の顔、顔、顔。
バイヨンの中を歩きながら、カメラを構えると、いろいろな世界が・・・。
この写真では二つの観世音菩薩像の顔が隣りにあって、向かい合っているように見える。が、実際には、かなり離れているのである。


カンボジア・アンコール遺跡2回目、バイヨンの観世音菩薩像

今年はこれで終わり。来年もよろしく!

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第330回

名古屋の観覧車

2007/12/22

 1限の授業が終わると、Sさんが教室に入ってきた。授業が終わるのを、廊下で、待っていてくれたようだ。

「先生、JTBに合格しました。昨日、すぐに研究室に報告に行ったんですけど、いらっしゃらなくて、今日、報告にきました」

 うれしいね~。おめでとう。やったね。
Sさんとは、このHPの第324回目に登場するSさん、その人である。
「エントリーシートに先生のことも書いちゃいました。面接でも、いろいろ話しちゃいました。
『ヨーロッパ地理の旅』や『アジア地理の旅』の話もしました。いろんなこと聞かれて・・・。実際に行っておいて、よかったです。」
  Sさんは、2年生。今年、国内旅行業務取扱管理者の資格試験に合格した。そして、希望していた旅行会社の入社試験にも見事、パス。
なんとも、いい気分である。
さっそく授業のなかで、1年生に報告した。

 

「日本で一番古い観覧車は、名古屋のデパートの屋上に・・・」
ということを、ずいぶん前に何かで読んで、気になっていた。

「デパートの屋上に、日本で一番古い観覧車があるらしいのですが・・・?」
先週、名古屋に仕事で出張する機会があった。そのとき、宿でチェックインする際に、フロントのホテルマンに聞いてみた。
初めは、《エッ、知らないな。そんなのあったっけ~?》ってな感じだったが、カウンター内の同僚と話をしているうちに、
《もしかしたら》、と思ったらしく、
「Mデパートの屋上にある、あの小さい観覧車ですか・・・」
  と、なった。
「そう、それ、たぶん、それ」

で、翌日の昼食時に、小雨降る中、そのデパートへ歩いていくことに・・・。
交差点で信号が変わるのを待つ間、Mデパートの屋上を見ると、その隅に、観覧車の一部が見えた。「あった」。

デパートに入り、そく、エレベーターに乗った。
客は、ぼく、一人。
Rのボタンを押すと、エレベーターガールが、
「屋上へ行きますが・・・?」
  と、言った。雨の中、何で、いい年をした男が、屋上なんかに行くんだろう、ってな感じに思われた?
「はい、屋上で結構です」

エレベーターを降りて、外へ。
あった。小さな観覧車が、屋上の隅っこに、あった。
動いては、いない。人も、いない。が、古い形の、昔懐かしい観覧車が、9台、ぶら下がっていた。
「おまえ、よくも今まで、こんなところに残っていたな~。頑張ったな~」
と、ちょっと、いい気分に・・・。

デパートの屋上は、昔は、もっともっと、賑わっていた。メジャーだった。
アイドル歌手の新曲発表会なんかも、都会のデパートの屋上で開かれたりした。
そんなことを、思い出したりして、若干、感傷的な気分になって、小雨降るデパートの屋上を一人で、30分ほど、ぶらぶらと・・・。
エレベーターに乗って、下りるとき、
「あの観覧車、乗るのは、いくらなんですか?」
と、聞いてみた。
「動いてませんけど・・・」
  と、即座に。
話は、これで、終わり。
「いつまで動いていたんでしょうか」
  なんて、聞く雰囲気ではなかった。

 

名古屋の中心地、名古屋市中区・錦通に面して、建物にへばりつくように、観覧車「スカイ ボート」が立っている。
こっちは最新型の観覧車。あのデパートの屋上にあった旧式の動いていない観覧車とは、道路をたったひとつ隔てただけのところに立っている。
夜、食後の散歩ついでにこの観覧車のそばにやってきた。ごく自然に、その観覧車の乗り場へ向かうことに・・・。

「観覧車の入り口は?」
「3階です」
  エスカレーターで3階に上って、入り口へ。料金は500円。
「どのくらい乗るんですか」
「15分です」
券売機かと思ったのは、500円玉への両替機。500円玉をひとつ用意して、それを、投入し、一人ずつ回転式の入り口を通り抜ける。
観覧車に乗る前に、「写真を一枚お撮りします。お買いにならなくてもけっこうです。買うかどうかは、おりてから出口のところで・・」
ってなことを言われ、では、と、乗る前に記念写真を一枚撮ってもらう。

観覧車は、最新型の四人乗り。映画館の座席についているのと同じような、飲み物を置くスペースもある。エアコンも効いている。
高さは、「50mぐらい」かな、というところ。
最上部から、名古屋の夜景を楽しむ。下を見ると、Mデパートの屋上に、あの観覧車。
  観覧車が降りてくると、客の視線をビルの方に向けさせないような工夫がしてある。
  「どんな工夫が?」
それは、乗って、自分で、確認を。 

観覧車から降りると、出口のところで、係員が記念写真を持って待っている。
「いくら」
「1000円です」
「高いね」
でも、買うことに。
日付入り。
先ほど撮られた写真が二つ折りの厚紙の右側に挟まっていて、左側には観覧車の昼と夜の写真が印刷されている。
買った決め手は、観覧車の情報が書いてあったこと。

この観覧車ができたのは、2005年の2月。ゴンドラの数は、28。一回りするのに、15分。高さは52m、とあった。
「50mと52m。2mの誤差とは、すごいですね~」
と、同行した本学のNさん。
  この春、ニースで乗った移動遊園地の観覧車の高さが50mだった。だいたい同じくらいの高さに感じたので、「50m」、と言ったまでのことだ。

 

                   *

今回の写真の舞台は、カンボジア・アンコール遺跡、バイヨンのレリーフ。
第一回廊の南面。戦いの勝利を祝う凱旋パーティの準備をしている様子が描かれている。



カンボジア・アンコール遺跡、バイヨンのレリーフ

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第329回

平塚神社と平塚亭

2007/12/14

 12月も、早、半ば。もう、冬だ。

キャンパス内を歩く学生の服装も、オーバーコートにマフラー姿が目立つようになった。
紅葉した桜の葉っぱはすっかり落ち、今、銀杏の葉が、鮮やかに、黄色く色づいている。
なかには、すっかり葉が落ちてしまった木もある。
銀杏は、みんないっぺんに同じように紅葉するのではなく、木ごとに色づき方がちがう。
同じ年に植えた隣り合った木でも、一方は黄色く色づいているのに、隣の木の葉っぱはまだ緑色のまま。そんなことがある。

「平塚神社の銀杏がみごとなんですよ」
という人がいたが、
「そんなの知っているもん」
ってな感じで、10日ほど前に、今年も、平塚神社に出かけた。

 JR京浜東北線の上中里駅下車。改札口を出ると、まず目に付くのが、《歴史と緑をめぐる散歩道 飛鳥の小径》と、書かれた案内板。

「この小径は、桜の名所として親しまれている飛鳥山公園を中心に、上中里駅および王子駅周辺の緑と歴史的文化財をめぐる散歩道です。
四季折々に変化を見せる緑の中、自然のささやきと歴史の香りが漂います。
しゃれた小径をのんびり散策し、潤いと安らぎのある空間を楽しんでください」

 この説明を読んでから、武蔵野台地の末端に沿った、緩やかな上り坂の道、「飛鳥の小径」を歩いていく。
平塚神社の境内に入り、落ち葉を踏みしめながら、のんびりと、散策。
カメラを構え、鳥居のバックに、紅葉した銀杏の大木をパチリ

「立派な銀杏の木ですね」
と、声をかける。
「もっと大きかったんです」

ここから、いろいろな話を聞くことに・・・。

「5年ごとに、切ってもらうんです」
「銀杏の落ち葉はすべりやすいので、苦情をいただくこともあって・・・」
「銀杏は燃えにくいんです。銀杏は腐葉土にならないので、落ち葉をもらってくれる人もいないんです」
「産業廃棄物として、お金払って、業者に出すんです。トラック2台分出ます」
「ここに嫁いで来て、40年になりますが、来るまでどんなところか分かんなかったんです」

 境内で、いろいろと、苦労話も、聞いた。
「大晦日には、お汁粉、1000人分用意するんですけど、足りなくなっちゃいます。
平塚亭でつくってもらうんですけど、缶詰じゃなく、豆からゆでて作るから手間がかかって大変なんですけど・・・」

 

帰りがけ、平塚亭に寄る。
奥のテーブルに腰掛け、焼き団子、豆大福、それに、お稲荷さんと海苔巻きを一つずつ、食べた。
1年ぶりに、平塚亭のおばちゃん、鶴岡八重子さんともゆっくり話をした。
「83歳になりました」
笑顔がいい。元気である。

飛鳥の小径を下って、上中里駅へ向かう途中に、気になるラーメン屋さん。
「あのラーメン屋さん、美味しいって、評判です」
と、北区役所の観光担当・Sさん。

                   *

 香港写真シリーズ、その6。今回の写真は、「香港返還10周年目の香港の夜景」。
夜の8時から15分間、ビクトリア・ハーバーを挟んで、両岸の高層ビルから飛び出す光、それに音楽。


「アジア地理の旅」で学生たちと、いっしょに見た、香港: 感動!これが香港100万ドルの夜景

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第328回

旅を語る。

2007/12/07

 本学で観光関連科目の「観光メディア」と「旅の口頭表現」を担当している講師の秋山隆さんは、NHKラジオ第一放送の人気番組『ラジオ深夜便』で偶数週土曜日のアンカーを務めている秋山隆さん、その人である。

 
月刊雑誌「ラジオ深夜便」の9月号を開くと、3ページに渡る巻頭グラビアページのアンカークローズアップのコーナーに、秋山隆さんのカラー写真が載っている。 

鉄道模型を前にして満面の笑顔で写っている秋山隆さん、それに、1974年に廃線になったときに購入したという名古屋市電の方向幕を両手に持った、うれしそうなご本人の姿が誌面を飾っている。
またこの雑誌のインタビューのコーナーには、7月6日に放送された、ゲスト出演者小林旭さんとの巧妙な対話のエッセンスが、インタビュー記事として収録されている。

 

語りのプロである秋山隆さんだが、このところ、書く方でも、その才能の一端を発揮している。
月刊「時事評論」という雑誌にも執筆中で、作家の山本一力さんらと交代で、巻頭ページにあるリレーエッセーのコーナーで、《今月出会った人》を連載している。
その12月号に、
「歩き回り、体験し尽くす旅人 秋山秀一氏(作家・東京成徳短大教授)」
として、このぼくのことを書いてくださった。なんとも、光栄なことである。

卒業生のなかには、舞台女優として頑張っている人や 旅を続けている人、プロ並みの写真を撮り、展覧会で入選したり、個展を開いていたりしている人など、様々な分野で活躍している人がいる。展覧会や公演など、そのご案内状をいただくこともある。
そんなときは、やはり、うれしい。ニヤッとして、その案内状を見る。

しかし、せっかく情報をお知らせいただいても、タイミングが悪くて、時間の都合がつかなかったりして、見ることができないこともある。

Iさん、Mさん・・・、皆さんに、ここでお詫びを・・・。

先日も、Mさんから御案内状をいただき、何とか都合をつけて、当日、池袋にある東京芸術劇場・小劇場での芝居の公演にでかけていった。
しかし、人気があって、満席で切符が手に入らず、そのまま帰ってきた、ということもあった。

Mさんは、学生時代、本学で実施している「アジア地理の旅」にも、「ヨーロッパ地理の旅」にも参加し、旅と写真部の合宿にも参加した。
卒業後、舞台女優の道に進み、最近では、かなり存在感のある役どころで、舞台に上っている。次回の公演では、ぜひとも会場に足を運ばなければ・・・。

                   *

今回の写真は、香港シリーズの第5回目、香港公園内の、「水のある風景」。
「あれ~、水の中に入っていった~?」
と思われるような・・・。何であれ、「水」は中国では、欠かせないものなのである。
モデルは、この9月に「アジア地理の旅」で香港を旅した、本学の学生たち。


「アジア地理の旅」で学生たちと、いっしょに見た、香港:香港公園内で水と戯れる学生たち

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