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第485回

今が旬…?

2010/12/31

  大晦日。2010年最後の日。この1年も、あっという間に通り過ぎていった。これ、実感。
  4月に東京成徳大学人文学部観光文化学科がスタートし、その学科長に就任した。
  同じく4月、『フィールドワークのススメ 〜アジア観光・文化の旅〜』(学文社)が出版された。
8月28日(土)、BS朝日 パナソニックスペシャル 次世代への羅針盤『伊藤元重の経済×未来研究所』《観光立国ニッポン〜世界に誇るエリア戦略〜》。この番組の対談コーナー「この人に学ぼう」にゲスト出演した。
  9月19日(日)の朝日新聞に、「ファド響く文化の交差点 大航海時代の港町リスボン」を執筆した。
  NHKラジオ第1放送金曜旅倶楽部「旅に出ようよ」(毎月第一金曜日放送)で今年取り上げたところは、3月が「東京葛飾柴又」の再放送。5月が埼玉県小川町。7月が愛知県岡崎市。8月が群馬県館林市。9月が東京北区王子。10月が長野県飯島町。11月が千葉県成田市。12月が新潟県津南町。
  今年は、ざっと、こんなことがあった。
  ちなみに、1月の第一金曜日、7日放送の金曜旅倶楽部「旅に出ようよ」では、神奈川県の三浦市を取り上げる予定。

 先週の写真。三浦海岸に干された大根。これは、三浦大根ではなく,青首大根。
「天気にも寄りますけど、1週間から10日ほど干して、たくあんにします」
  というもの。
  三浦大根は大きくて、重い。そう思われている。実際にその通りなのだが、桜島大根のような形をしているわけではない。
  三浦大根は引っこ抜くのに、相当な力が必要。理由は、その形を見ると、納得する。
  青首大根は一番上の部分が太くて、下のほうにいくにつれて、細くなっているので、簡単に引っこ抜くことができる。しかし、三浦大根はそうはいかない。葉っぱの付いているいわゆる首のところはむしろ青首大根よりも細いくらいだが、下にさがるにつれて、太くなっている。形容するのに適格ではないかもしれないが、しもぶくれの「大根足」、そんな形を思い浮かべていただくと、理解しやすい。それでいて、長さは青首大根とたいして変りがない。で、重い。
  青首大根は干してたくあんにするには適しているが、三浦大根は、食べ方も違う。
「なべ料理に入れたら、最高です。型崩れもしないし…」
  ということになる。
三浦大根は今が旬。富士山の見える台地の畑に三浦大根が栽培されている。
                            *

三浦市には、起伏に富んだ美しい海岸風景もある。海蝕地形を眺めながら、海岸を歩くのは、楽しいもんである。城ケ島の日没風景もいい。地殻変動によって傾斜した互層が差別浸食を受けて、デコボコに。そんな地形の向こうに、日が沈んでいく。
今回の写真の舞台は、城ケ島。日没の風景。


城ケ島から見る日没の風景

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第484回

マンホールから、まちが見える

2010/12/24

 「さぎそうですよね」
 と、前回のマンホールの写真について、メールをいただいた。
 その通り。このマンホールに描かれているのは、さぎそうである。

 姫路市について連想するものを尋ねると、ほとんどの人が、「姫路城」と答える。
 世界文化遺産に日本で最初に登録されたのは姫路城であり、姫路市のシンボルは、何といっても、姫路城なのである。
 すると、姫路市のマンホールに描かれているのも、当然、姫路城。そう思うのが、自然なこと。が、姫路の街を歩いて、撮ったマンホールを見ると、そこには、城でなく、さぎそうが写っているのだ。
 2年ほど前、姫路への取材旅行にでかけたときに、姫路の宿泊施設で働く、それも広報関係の仕事をしている人にマンホールの話をしたとき、その人も、
「姫路城だと思いますけど・・・」 
 と答えてくれた。
 でも、これ、不思議でもなんでもないのである。マンホールなんて、普通の人にとっては、特に興味をもって見る、というようなものではないのだから・・・。

 でも、姫路城は別名「白鷺城」といわれることもあることを考えると、マンホールのデザインも、鳥の白鷺でもいいのでは、とも思うが、もうひとつ飛んで、
「鷺の飛ぶ姿に似た白い花」を咲かせる〈さぎそう〉、
 というのも、ぼくはいいな〜と思っているのである。
 でも、大阪市のマンホールには大阪城、名古屋市のマンホールには名古屋城、これも、わかりやすくていいな〜と、思う。

「秋山さんはずいぶん前からマンホールの写真を撮ってましたよね」
「もっと前に、本を出しとけばよかったのに」
 十条台キャンパス勤務時代の友人に、そう言われてしまったが・・・、正直に言えば、以前一時その気になって、本のタイトルを考えたこともあったっけ。
 15年ほど前のことになるが、短大で「旅と写真部」の顧問をしていたとき、学園祭で、学生たちが日本各地で撮ったマンホールの写真を展示したこともあった。 

 そう、マンホールの写真も、ずいぶん前から、撮っているのだ。
 海外の旅に出て、まちあるきの途中で、マンホールの写真も撮りだしたことから始まって、今では、旅に出たときは、国内でも撮るようになった。といっても、マンホールマニアというわけではない。マンホールから、まちが見える。あくまでも、マンホールの写真も撮っている、のである。

                            *

 今回の写真の舞台は、神奈川県三浦市。三浦海岸に干された大根、これも、ニッポンの風景。この時期にだけ、見られる風景である。


ニッポンの風景 三浦海岸の冬の風物詩 大根干し

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第483回

褒められれば…

2010/12/17

「声がいいですね」
 部屋に入ってくるなり、そう言われた。
 先週の金曜日、某高等学校で3年生を対象に、「素敵な旅に出ようよ」のタイトルで1時間半講演をした後のことである。
 講演終了後、担当のN先生に案内されて控室に戻って話をしているとき、教頭のK先生がやってきて、そう言ったのだ。
「先生は、本当に声がいいですね。私は声楽やってて、なんとかいい声が出したくて、トレーニングしたりしてるんですけど、なかなか先生のような声は出ません。会場でも、話している声がよく通るんですよね。何か特別なトレーニングをやっているんですか?」
 さらに、こう言われたので、
「いえ、なにもしていませんが…。声をお褒めいただき、ありがとうございます」
 と、こたえると、
「そうですか、うらやましいですね」
 そばにいた、NHKOBの元スポーツアナウンサーM氏が、
「たまに生まれながら声がいいっていう、そういう人がいるんですよね。秋山先生もそういうタイプですね。本当に声がいいんですよ」
 と言ってくれ、
「私も、秋山先生がもう少しお若ければ、アナウンサーに…」
 なんだか、話が変な方向に…。
 でも、どんなことであれ、褒められれば、気分はいい。そういうもんである。
「高校2年生の時に、NHKの教育テレビに『十代とともに』という番組があって、それに出演したとき、番組収録後、ゲスト出演された斎藤茂太さんに、声を褒められたことがあって…」
 話が盛り上がり、古い話もした。
 その後、校長のK先生も、ご挨拶にお見えになり、講演内容について、お褒めの言葉を頂いた。
「生徒より先生方の方が熱心に聞いていたようですね」

 最近は褒められることなんてめったになく、責められることがしばしばあって…、若干気分が滅入ることも…(一瞬ストンと…、でも、すぐに、負のエネルギーが湧きあがってきて…、何くそ〜と)。
 今回の講演の後の帰り道、やや浮き浮きした気分で、最寄りの舞浜駅まで、15分ほどの道のりを歩いた。
 その後、銀座まで出て、新橋演舞場のある建物へ。
 12階の某会議室で、「旅チャンネル」の番組審議委員会に出席。温泉と町歩き、2本の旅番組について、意見を述べた。

                            *

 今回の写真の舞台は、姫路。姫路のマンホール。でも、そこにデザインされているのは、姫路城ではありません。


姫路市のマンホール

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第482回

時を超えたドラマが見えますか

2010/12/10

 先週の旅行術、あの写真を見て、
「あ!寅さんが二人いる」
 という声もありました。

 先週末、こんなお便りをいただいた。

 寅さんが二人いるって? あっ、そうだ。大好きな寅さんと似ているって、言われたのだ。う〜ん、喜んでいいような、そうでないような…。
 さらに、建設中の東京スカイツリーと勝海舟像を一緒に撮った写真について、次のように、書いてあった。

 これについては、素直に喜ぶことにしよう。

 人がどのようなところに住み、どのようなものを食べ、どのような暮らしをしているのか、広く世界に目を向けて、実際にその土地に出かけ、自分の目で見ることの意義は大きいと思います。世界には様ざまな国があります。それぞれに独自の価値観や生活スタイルがあり、物事に対する価値観が必ずしも同じというわけではありません。感覚が柔軟な若いうちに海外へ出かけ、自分の足で歩き、いろいろな土地の自然を知り、そこで生活する人びとの暮らしの様子を見て、その土地の食べ物を食べる。実際に現地で体験してみて初めてわかる、ということは多いのです。
 南半球に位置するオーストラリアやニュージーランドでは南の風は冷たく、北風が暖かいのです。傾斜地に建つ家の向きを見ても、日本との違いを考えさせられます。月の満ち欠けも日本とは逆です。イスラム教徒にとって、豚は不浄の動物であるとして豚肉を食べることはありません。ところが、韓国の市場に行くと、そこには必ずといっていいほど笑い顔した豚の頭が店先に並んでいたりします。こんな面白い発見がいろいろとあります。 
 異文化体験実践としての旅を通して、国際理解を深め、それぞれの国の良さを知る。新鮮な感動があって、発見があって、その先に創造が…。

 今日、某高等学校に出かけ、400人ほどの高校生を対象に、海外と国内の旅について、話をする。導入部分で、こんな話をして、国内外のいろいろな写真を見てもらおうと思っている。

                            *

 今回の写真の舞台は、新潟県の津南町。段丘面が9段もある、日本一の河岸段丘。


新潟県津南町の「日本一の河岸段丘」

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第481回

「今も、あのカレンダーあるんですか?」

2010/12/3

「秋山先生ですよね」
 そう、声をかけられた。
 昨夜、帰宅途中、東武野田線船橋駅の改札口を通って、すぐのことだ。
「私、今年卒業した…」
 すぐに分かった。この3月に東京成徳短大を卒業した高崎友里奈さんである。
 1年生の時に、「第23回ヨーロッパ地理の旅」に参加した高崎さんのことは、よく覚えている。ロンドン、ローマ、ボローニャ、ベネチア、そして、パリを一緒に歩きまわった仲間だ。
 ロンドンもローマもパリも、現地ガイドを付けずに、ぼくが案内役。徹底して歩きまわった。移動はバス、地下鉄に乗って…、公共交通機関を使って、あとは、雨の中でも、歩け、歩け、歩け…。
 東京成徳大学の八千代キャンパスに観光文化学科をつくるための会議が頻繁に行われていた時期でもあった。
「短大の学生たちと、あと何回、この旅が実施できるのかな〜」
 と、そんな気持ちもあってか、あの時のヨーロッパ地理の旅に参加したこの学年の彼女たちのことは、とくに、よく覚えている。

「先生、今も、あのカレンダ−あるんですか?」
「ありますよ。今年もつくったから」
「あのカレンダーとっても良かったから、新しいのがあるんだったら、欲しいんですけど」
 と言われた。
 ここにも、あのカレンダーのファンがいた。
 うれしいね〜。で、すぐに、送る約束をした。

「ヨーロッパ地理の旅に行って、本当によかったです。今でも、あの時の写真、時々出して、見ています」
 そう、個人写真はもちろん、三脚を使って、いろいろなところで集合写真を撮りまくった。その時撮った百枚以上の写真を1枚のCDにまとめて、学生たちにプレゼントした。
 三脚係だった吉田さんも、大活躍だった。

「先生のHP、今でも、見ています。先生、いつの間にか、八千代に行っちゃったんですね」
 ホームに停まっていた柏行きの電車に乗って、船橋から二つ目の塚田駅で高崎さんが電車を降りるまで、いろいろな話をした。

 建設中の東京スカイツリーの高さが500mを突破した。
 12月1日の朝日新聞に「500m突破 あとはアンテナ鉄塔」との見出しで、そのことが書いてあった。
 11月30日の午後、建設中の東京スカイツリーをすぐそばで、真下から見た。
 隅田川の辺まで歩き、吾妻橋を渡って、右岸の水上バス乗船場から、観光文化学科の教員、学生が一緒に水上バスに乗って、午後4時から3時間余り、水辺から東京のまちづくりを考える東京都が主催するシンポジウムに参加した。

 今日12月3日は12月の第一金曜日。NHKラジオ第1放送、午後3時33分から、金曜旅倶楽部「旅に出ようよ」で、新潟県津南町の話をする日である。

                            *

 隅田川の左岸、吾妻橋のやや上流側に、勝海舟の銅像が、下流の方を向いて立っている。
 そこが、今回の写真の舞台。朝日新聞に載っていた写真の前日、11月30日に、建設中の東京スカイツリーと勝海舟像を一緒に撮ったものだ。


勝海舟像と建設中の東京スカイツリー

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