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お知らせ(大学院)

2018/07/03

本大学院学生と石村郁夫准教授が優秀発表賞を受賞しました!

東京成徳大学大学院心理学研究科博士課程後期3年の阪無勇士さんが、平成30年6月23日(土)~24日(日)に京都橘大学で開催された日本健康心理学会と日本ヒューマンケア・心理学会の合同大会において、研究発表のうち最も優秀な発表として認められ、見事、優秀発表賞を受賞しました。表彰式では、方法論や研究の意義に高い好評をいただきました。

 

発表された研究テーマは、「一時保護所職員の受容的な関わりを促進するプロセスの検証~施設内体験や保護所への愛着がバーンアウトを介して及ぼす影響~」でした。

虐待を受けた子どもがまず最初に預けられる施設が児童相談所の一時保護所です。虐待対応の最前線ともいえる一時保護所において、子どもたちの自傷他害を繰り返す姿や、子どもの力となりたくて、職員が燃え尽き疲弊していく姿、バーンアウトする姿はこれまであまり表には出てきませんでした。一方で、現場の危機を肌身に感じながらも、子どもの気持ちや考えを真剣な姿勢で受けとめ、虐待の後遺症を抱えた子どもたちの成長・発達を促す職員の姿も報告されていました。

そこで、阪無さんは、多忙な業務であろうと、バーンアウトする状態であろうとも、子どもも職員も、児童の成長を導く受容的な関わりを求めていることに着目しました。職員の受容的な関わりを増やしていくために、職員が一時保護所で何を体験し、どのような体験を得られることで、子どもたちへの受容的な関わりを獲得しているのかを明らかにしました。

その結果、児童へと受容的に関わる職員は、職場の働きやすさと児童への愛情を感じられる体験によって、バーンアウトの予防に努めていることがわかりました。そして、バーンアウトを予防する体験とは、職員間の協力関係を築くこと、業務の負担を減らすこと、児童の問題行動から目を背けないこと、解決的な姿勢を示すこと、児童の良い変化に気づくこと、自身の関わりに満足感を得られることでした。さらには、受容的に関わろうとするほど、余裕のない施設状況に疲弊し、指示・命令などの不適切な関わりに陥るなど、子どもの問題を受容できない組織の問題が明らかとなりました。

「社会的危機にある子どもたちが、人の優しさに触れて、職員とともに成長していける保護所の在り方を見つけてきたい」、そう語る阪無さんの、研究の進展が期待されます。

 

(大学院心理学研究科)
 

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