二人の人間が向かい合って言葉を交わす時、無意識ですが互いに最も快適と感じる距離に立つのが普通です。これはいわゆる「快適帯(comfort zone)」と呼ばれる概念に関連していて、目の前の話し相手との距離をどのように取るかは文化によって大きく異なることが知られています。これはコミュニケーションをスムーズに行なう上でとても重要であると同時に、しばしば誤解を生む原因となります。例えばギリシャやアラブ諸国ではかなり近い距離に立つことが多いようで、話が盛り上がってくると互いにもたれかかるほどに近づいて話す傾向があります。
アメリカやカナダでは、初対面の相手とはだいたい50センチ前後が最適の距離だといいます。しかし一方がこの範囲を越えてあまり接近しすぎると、相手はこの最適の距離を保つために後退して位置を調整しようとします。アジアやアフリカでは通常これよりさらに離れて立つことが多いようです。
このように文化によって「快適帯」が異なるのは、もちろんコミュニケーションの時だけでなく、椅子に座る場合もそうですし、怒り・愛情などの感情を表現する場合にもかなり影響があります。こうした「快適帯」を互いに尊重し合うことは異文化理解にとても重要なのです。皆さんも話し相手との適切な距離を取るために、このような点を観察・実践してみてはいかがでしょう。
(国際交流委員会)