今回は昨年に続き、第3回卒業生:布川 由美子さんが近況について投稿してくれました。6月26日よりリトアニアで研究活動を行っています。
布川由美子
東京成徳大学卒業後、ロンドン大学音楽学部付属のCertificateコースを経て、ロンドン大学大学院ロシア音楽学研究科へ進みました。大学院在学中には北欧やロシア、旧ソ連邦の作曲家について多くを学び、日本に帰国後はその知識を生かして、2007年にはクラシック音楽CDのライナーノーツの翻訳やフィンランドを代表する作曲家シベリウスの没後50周年を記念した企画「シベリウスの真実」の演奏会プログラムの翻訳とレクチャー通訳を経験しました。
そのことをきっかけとして2008年には実際にフィンランドとリトアニア(旧ソ連邦のバルト三国のひとつ)を訪れました。フィンランドでは、首都ヘルシンキのほか、ハメーンリンナにあるシベリウスの生家やトゥルクにあるシベリウス博物館など、シベリウスにゆかりのある地に足を運びました。また、リトアニアでは首都ヴィリニュスのほか、ロンドン留学中より興味をもっていた作曲家・画家であるチュルリョーニスの博物館のあるカウナスも訪れ、チュルリョーニスの画集、楽譜、CD、論文集などを手に入れてきました。
2008年夏には、縁があってそのチュルリョーニスの伝記の日本版の編集作業に協力することになり、日本版の巻末に付けるチュルリョーニスの音楽作品リストやディスコグラフィの作成、英文和訳の校閲を担当させていただきました。リトアニアから持ち帰ったチュルリョーニス資料が思いがけず役立ったわけです。原書の著者は1991年にリトアニアの旧ソ連邦からの独立回復を主導したヴィータウタス・ランズベルギス最高会議議長であり、専門とする音楽学の分野ではチュルリョーニス研究の第一人者として知られています。日本語版は2008年12月末に『チュルリョーニスの時代』というタイトルでヤングトゥリープレスから発売になっています。
その後もリトアニアとは縁があり、2009年7月に代官山ヒルサイドフォーラムで開催される写真展「知られざるリトアニア」で発売予定 ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(Mikalojus Konstantinas Čiurlionis, 1875-1911) のリトアニアの風景写真集『知られざるリトアニア』の日本版校閲も担当させていただきました。息を呑むような美しい風景写真ばかりですので、ぜひ多くの方々に足を運んでいただけたらと思っています。
昨年10月からリトアニア語も学び始め、今年6月末から2か月ほどリトアニアのヴィリニュス大学でのリトアニア語講座に参加しつつ、バルト三国と北欧を回ってくる予定です。その体験記はまた後日ご報告させていただく予定です。
東京成徳大学には「国際言語文化学科」がありますが、ここが私の原点です。成徳時代にこつこつと英語や異文化について学んでいたことがきっかけで、ロンドン大学大学院で修士号を取得することができ、英語力を生かした仕事にも恵まれています。たくさんの言語ができるとそれだけ世界が広がります。成徳は少人数クラスで懇切丁寧な指導が受けられる恵まれた環境なので、それを最大限に活 チュルリョーニス作 『天使のプレリュード』1909 リトアニア国立チュルリョーニス美術館蔵
用し自己の基礎形成に役立てて欲しいと思います。何事も簡単には成し得ませんが、興味をもったことにこつこつと取り組んでください。いずれそれが「自分とは何者なのか?」という問いの答えとなって表れてくるものです。(国際言語文化学科)