今春に観光文化学科が開設される記念として、第1回の映画と講演の会が、1月14日に勝田台文化センター ホールにて開催されました。「聖地巡礼」と題した今回は、大森康宏・立命館大学教授の作品の中から『サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼』を選んで上映しました。上映後はご参加頂いた大森先生にお話を伺いました。
スペイン北西部の町サンチャゴ・デ・コンポステラは、使徒のひとり聖(大)ヤコブにちなんで、ローマ、エルサレムと並ぶキリスト教カトリックの三大聖地のひとつとされています。4つの巡礼ルートのひとつ南仏ル・ピュイからの道は、1993年ユネスコ世界遺産に登録され、広く知られるようになりましたが、そのルートを辿る1人の巡礼者を追う形で映画は進みます。
ピレネー山脈を越えてスペインを歩いて巡礼する退役軍人の巡礼者は、道すがら土地の人々や日本人を含めた他の巡礼者たちに出会います。良いことばかりとは限らない彼の旅程の様子を、詩情を湛えた映像が伝えてくれました。興味深かったのは、大森先生の解説によると、信仰が動機の巡礼者は全体の10%程度だということです。一種のスポーツとして自転車で行くような人もいれば、人生の目的を求めたりと、いわゆる自分探しの旅として道を進む人もいました。目的地に着いた巡礼者たちが達成感に浸る姿を描くとともに、その後に思いを馳せさせる映像は、「人生は旅だよ」という言葉を思い出させてくれました。近々発表予定の、次の会の映画も楽しみです。(高野泰)