「東西交流史」は1年次以上の選択科目、「世界史」の流れに文化交流の視点から新しい光をあてようという試みです。歴史学・考古学を専門とする学科主任、大井剛(おおい たけし)教授がうけもちます。また国際言語文化学科の「アジア文化交流史Ⅰ」と共通の科目です。
学期はじめの授業で一番に問いかけた質問は、
Q1 けさ起きたとき、ベッドの上でしたか、たたみにしいたふとんの上でしたか?
Q2 けさ食べたのは、パンでしたか、ごはんでしたか?
(遅刻してもいいから朝食をしっかり食べなさいね)でした。
それから
Q3 好きなスポーツを書いてください、それはカタカナで書くスポーツですか、たとえばテニスとかサッカーとか、それとも漢字で書く運動ですか、柔道とか登山とか?
(もっとも庭球とか蹴球とか漢字で書けないこともないけれど)です。
なぜこんな質問をするか、その意図はわかりますね。「米の文化と麦の文化」「綿の文化と毛の文化」「木の文化と石の文化」など、衣食住にまつわる文化のちがいと交わりを考えるいとぐちです。
ある日、西洋風の建築のさきがけとして旧岩崎家本邸(いま東京都立「旧岩崎邸庭園」)をとりあげて、設計者ジョサイア・コンドルや施工主の岩崎久彌(いわさき ひさや)の話をしていたら、1年生のひとりが言いました。「うちのお母さんとおばあちゃんがよく「岩崎さん」て話題にしているよ」と。
その K さんのお宅は千葉県富里市にある大きな農場で、もと岩崎家の「末広農場」だったことが偶然にわかりました。三菱の創立者、岩崎彌太郎が新開地を購入し、三代目、岩崎久彌が農業と牧畜の技術を指導した、ゆかりの地です。しかも K さんのひいおじいさんが久彌から直接教えを受けていました。
それではひとつ訪ねてみようと、バスをチャーターして出かけてしまうところが、観光文化のフットワークの軽さ。7月28日午後に授業のひとこまとして学外研修を実施しました。
上の写真は、K さん宅の経営する環境植物プラントの温室のなか。このような温室だけで延々500メートルもならんでいます。
畑の見学は文字通りフィールドワークで、観光文化の科目「フィールドワーク入門」と合同で実施し、阿南友亮先生、高野泰先生も参加しました。
「旧岩崎邸」と「旧末広農場」のはなしは、さらにつづきます。なお「旧岩崎邸庭園」は、つぎのウェブサイトに紹介されています。
「公園へ行こう!」公益財団法人東京都公園協会
「都立公園・庭園案内」東京都建設局公園緑地部
(大井 剛)