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福祉心理学科からのお知らせ

福祉心理学科からのお知らせ
社会福祉実習体験記(4)
― 知的障害者施設 ―
2010年03月10日

福祉心理学科 4年 野村 晃男


 

 私は、知的障害者入所更生施設で、8月から9月にかけて4週間実習しました。

 実習前、知的障害者の入所施設では、利用者の生活全体が職員主導で営まれていると思っていました。しかし、実習中、利用者が利用者をあたりまえのようにサポートしながら、利用者同士で生活している場面に気づきました。
 たとえば食事のとき、利用者が他の利用者の湯飲みにお茶を入れてテーブルに運んだり、おかずを食べやすいように小さく切ったりしていました。
食事前の手洗いのときも、手洗いに来ない人を、利用者が自発的に呼びに行っていました。手洗いが嫌いな利用者の中には、特定の利用者がいないと手洗いしない人もいます。その場合は、職員がわざわざその利用者を呼びに行き、手洗いしていました。
 着替えも、ひとりでできない方を同室の利用者がサポートしていました。朝、失禁している利用者がいると、着替えの衣類を職員が用意します。すると同室の方が、その方の着替えを手際よく手伝っていました。
 これらの場面はいずれも日常的で、生活の習慣のようでした。また、実習中、職員の指示的な言葉を耳にすることはありませんでした。利用者中心の生活だったからではないかと思います。

 実習中の忘れられない場面に、車好きの利用者とかかわった出来事があります。施設の敷地内にワゴン車が止めてありました。鍵はかかっていません。その方は車が大好きで、後部座席に座ると何時間でもそのままの状態でいます。
 ある日、入浴の時間なので呼びに行き、降りるように何度も声かけしましたが動きません。最後に腕を引っ張りましたが、かえって固まって動かなくなってしまいました。
 その時は職員に助けてもらいましたが、その後、どうやったら降ろせるのか悩みました。思い切って職員にたずねてみると、言葉でコミュニケーションが取れる利用者なので、上手に声かけすれば降りてくる、という助言がありました。
 別の日に同じような場面に遭遇しました。今度は声かけだけで降りてもらおうと心に決め、いろいろ工夫しながら声かけしていたら、間もなくスムーズに降りてきました。とてもうれしかったです。

 実習によって、利用者一人ひとりを良く把握することができるようになり、その方の特徴や性格を踏まえた支援の方法を考えられるようになりました。

 これから実習に行く人は、実習中にわからないことがあったら、遠慮しないで積極的に職員にたずねることが、なにより大切だと思います。 (福祉心理学科)


 

福祉心理学科友人とともに。左端が野村さん。