子どものやる気とその指導 その1(石崎)
その1(石崎)
●子どもを理解することがまずは大事
自分も子どもだったはずなのに、いつの間にか子どもが何を考え、何を感じているのかを忘れてしまっています。子どもたちの考え方や行動の仕方は、まさに、大人や社会を映す鏡です。子どもたちは、周りの行動を見て、どう振舞うのが良いのかを学んでいきます。彼らの行動を見て、いやな行動の仕方や困った行動の仕方が気になったら、まずは自分やまわりの大人たちの行動を振り返ってみましょう。言っていることとやっていることが違っていては、子どもたちは混乱するばかりです。「誠実に」と説くなら、自分たちも誠実な行動をして見せてあげること。「楽しく」を望むなら、楽しむ姿を見せてあげることで、子どもたちは安心してその通りの行動をすることができるようになります。
もう一つ大切なことは、子どもたちと接するときに、どうしたら良いかと考える前に、子どもが今何を感じているのか、何を考えているのかを理解しようとすることです。ややもすると子どもたちへの指導を、パンケーキを作るように考えてしまいがちです。パンケーキを作るときには、粉、牛乳、卵や砂糖を用意して、それを決められたとおりの手順で混ぜ合わせて焼けば、目標となるものを作ることができます。一流のそば職人は、まるで粉の気持ちを考えるように湿度や気温を感じて手加減をするようですが、普通は、粉の気持ちを考えなくてもいいし、牛乳が混ぜられるのを嫌がったりはしません。しかし、子どもの場合には、それとは全く違います。何を用意したら良いか、どう関わったら良いかだけでは、何もできないのです。その前に、子ども自身を理解すること、こちらからの働きかけにどう反応しているのかに気を配ること、その結果関わり方を変えることといった、やり取り(相互作用)が非常に大切です。こうすればこうなるというのが、本当の所では分からないのです。なぜならば、子どもも親も、またその組み合わせも千差万別だからです。これを「個性を尊重する」と言います。お互いのやり取りの中で、最善を模索しながらお互いに高めあっていく姿勢が大切です。
これらを踏まえた上で、やる気の仕組みや褒め方、叱り方、環境作りについて考えていきましょう。