『スポーツにおけるお祈りは効果があるか』 市村学部長の投稿
---健康・スポーツ心理学(届出中) 最前線
日本のプロ野球の春のキャンプを報道するテレビを見てと、監督以下全員でキャンプ地のお宮にお参りに行ったりする姿が見られます。
これは日本だけの現象ではなく、キリスト教徒の多い国、アメリカでも見られるスポーツ選手の行動です。アメリカの研究誌「心理学とキリスト教」の2004年版に、スタンフォード大学とテネシー大学の教授たちの研究論文「スポーツにおけるキリスト教徒の祈りの経験」がでています。それによりますと、野球の大リーグや、NBA(National Basketball Association)や、アメリカン・フットボールのチームなども、試合の前に教会をおとずれることが多いのだそうです。
また、自分のプレーの前に胸のところで十字を切っている選手もいますよね。陸上ではレースに勝った後でグランドにキスしている選手もいます。以上のような行動は「Sportianity」とよばれているそうです。この言葉は辞書にはでていません。「キリスト教徒的信仰」(Christianity)という言葉からの造語でしょう。横浜の大学にいる英国人の友人に発音を聞いたら、スポーチャニティーと発音すればよいそうです。
この研究の調査によりますと、1970年代や80年代より21世紀に入ってからのほうがお祈りをする選手の割合が多いそうです。
その人たちの多くは、お祈りは自分の成績によい影響があると感じています。
お祈りの理由としては(a)結果がどうなるか分らない状況でのストレスの低減、(b)道徳的に正しい生活ができるように、(c)スポーツに集中できるように、(d)チームメイトとうまくいくように、というようなことがあげられています。
この論文を読んでいて、日本の選手たちはどんなお祈りをしているのかと考えました。本学の応用心理学部の学生の卒業論文でとりあげてもらおうかとも考えています。
祈りは、人類の歴史の中で永く続いてきた行為であり、迷信と片付けるのではなく、スポーツとは限らず、現代の生活の中での意味を考え直してもいいのではないかと思いました。