心を元気にする習慣づくり(全11回)
――ポジティブ心理学への招待――
応用心理学部長兼健康・スポーツ心理学科長
海保 博之
これから11回にわたり、「心を元気にする習慣づくり」という話をさせていただきます。
よろしくお願いします
今回は、その導入ということで、
①何をねらいにした話か
②その背景はどういうことか
③全体の構成
などについて、ざっとした話をさせていただきます。
●不況のときこそ、心の元気を
今、全世界的に、経済不況の嵐が吹き荒れています。
社会全体に元気がありません。
一人ひとりもまた元気がありません。
自殺者3万人超えが11年も続き、
さらに、うつ病患者100万との推定もあります。
これでは、ますます不況になり、
ますます人も社会も元気がなくなってしまいます。
東京成徳大学では「健康・スポーツ心理学科」を今年4月に、立ち上げました。
そのカリキュラムの一つの柱として、「ポジティブ心理学」があります。
心を元気にするための心理学です。その一部を担当することになりました。
その準備もかねて、今回のような一連の講義を企画してみた次第です。
●ポジティブ心理学の誕生
ところで、そのポジティブ心理学ですが、心理学の領域としては、かなり新しく出てきた領域の一つです。
やや専門的な話になりますが、ちょっとだけ、そのあたりの事情を紹介させてください。
1998年のアメリカ心理学会の機関紙に、時の会長セリグマンが短いあいさつを掲載しました。
その中で、彼は、人間のポジティブ面、優れた面に目を向けたポジティブ心理学を提唱したのです。
ポジティブ心理学のねらいは、
生活、趣味、仕事、対人関係において、人生の幸せを作り出していく心の技術を開発していくことにあるとしたわけです。
ここに今のフリップをつくってみました。
ポジティブ心理学を特徴づけるキーワードを列挙してみました
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「アクティブ人間観」 「成長モデル」「ポジティブ人間観」
自ら目標に向けて動く
自己実現 明るく元気
「パッシブ人間観」 「病理モデル」 「ネガティブ人間観」
環境、社会によって動かされる
癒し 暗く不機嫌
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心理学は科学なのですが、実は、どのような人間観のもとで人間を研究するかによって、異なった心理学になります。
このミニ講座では、そのポジティブ心理学の知見などもにらみながら、それにあまりとらわれずに、広く心理学の常識をベースに、若い高校生、大学生を想定して、心を元気にする習慣づくりのための心構えや技法について語ってみたいと思っています。
●こんな講義になります
心の元気を、「頭」「気持ち」「仲間」の3つの領域に分けます。
そして、それぞれの領域で、3つのキーワードを用意しました。
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第1部 頭を元気にする
• 連想①「あれこれ思いが浮かぶ」
• 熱中④「我を忘れる」
• 回想⑦「過去の楽しい思い出が浮かんでくる」
第2部 気持ちを元気にする
• 心身一如②「心の元気は気持ちの元気」
• 信念⑤「思い込めれば幸せ」
• 幸福感⑧「幸福は心にあり」
第3部 仲間を元気にする
• ほめ言葉③「相手の喜びは自分の喜び」
• 笑い⑥「笑いの伝染でまわりを明るく」
• 感謝⑨「ありがとうでまわりを元気に」
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講義の進行は、1部「頭」->2部「気持ち」->3部「仲間」の順にキーワードを一つずつ取り上げ、また最初に戻る、というサイクルで続けていくつもりです。
頭の元気は気持ちの元気、気持ちの元気は仲間の元気、仲間の元気は頭の元気なのです。
気楽にご覧ください。
ご覧になって少しでも心が元気になってもらえれば、うれしいです。
そして、あなたの心の琴線にふれる役立ちそうな心の習慣づくりの話があれば、少しがんばって取り入れてみてください。
では、次回は、「頭を元気にする習慣づくり」ということで、
連想を取り上げてみます。