授業名:会計学入門
倉持 俊夫(くらもち としお)
学校に成績表があるように会社にも成績表があります。会社の成績表のことを財務諸表といいます。財務諸表を学校の成績表と比較してみて下さい。学校では受験や進学の時、成績表がないと学生は自分の実力がどの位あるかわかりません。会社も同じです。財務諸表がないとこれからどのように経営していいのかわかりません。それと学生が成績表を親に見せるように(見せない人もいるかな・・・)会社も財務諸表を外部に見せる必要があります。なぜなら会社は株主や銀行など外部の人達におカネを出してもらって経営しているからです。学生が授業料を親にだしてもらって勉強しているのと同じです。
また学校は数学、英語、国語など科目ごとに成績表がありますが、財務諸表にも貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などいくつかの種類があります。ただ学校の成績が科目ごとにS、A、B、C、Dなどでわかりやすく表現されるのに対し、会社の成績は少々複雑です。一口に成績の良い会社といっても、儲かっている会社、倒産の心配のない安全な会社、効率的な会社などいくつかの視点があります。そのため会社の成績を財務諸表から読み取るためには、財務諸表の構造や財務諸表を作成する各種ルールなどを理解する必要があります。
この授業では会社の成績表である財務諸表の読み方を学校の成績表と比較しながらわかりやすく学んでいきます。
授業名:経営統計処理
宮澤 俊憲(みやざわ としのり)
企業が経営上の意思決定をするとき、その判断の根拠となるデータ分析の重要性が高まっています。たとえば、売上を予測したり、消費者ニーズを把握したり、製品の差別化を行なうとき、収集したデータを統計分析することにより、重要な示唆を得ることができます。この科目では、社会科学において必須となる統計学の考え方と分析手法について、基礎から応用へとていねいに学習を進めていきます。
統計学では、多くの場合、データ個々の値を問題にすることはありません。データをひとまとめにした集団を分析対象とします。集団を統計的な視点からながめることにより、データを個々に見ているときには気づかない特徴や、何らかの法則性が見えてきます。少しデータを加工しただけでも新たな知見が得られることがあります。すなわちデータを通して、対象の本質を理解することが可能になります。
集団の特徴を表す変量間の関係は、仮説として提示されます。自然科学では実験により仮説の妥当性を証明します。しかし社会科学では実験が難しい場合がほとんどですので、統計分析により仮説を検証します。
授業では、仮のデータではなく、経営や経済の信頼できる実データをなるべく使用します。現実のデータを扱うことにより、実践的な分析能力を体得することができます。
また、コンピュータを統計分析のツールとして最大限活用し、将来にわたって役立つスキルを養成していきます。
授業名:経営心理学
塚田 知香(つかだ ともか)
経営心理学とは、心理学の知見を現実の組織経営に活かそうとする、応用心理学領域のひとつです。例えば、新入社員として、「責任感の強い人」、「粘り強く努力を続けられる人」を採用したいとき、どうすればより確実にそのような人物を探し出すことができるでしょうか。これに対して心理学は、人格研究の成果を活用した適性検査を用いることにより、応えることができます。あるいは、新規の事業プランを計画する際、どうすれば独創的で優れたアイディアを出すことができるのでしょうか。これに対して心理学は、集団意思決定や創造的思考に関する研究成果を活用して、どのような環境で、何人くらいで考えると良いのか、提案することができます。
この講義では、心理学の知見が活用されている事例の紹介や体験を通して、経営と心理学の関わりについて考察していきます。