2020/08/19
本学科の学びの3本柱(1)~スポーツ心理学~
バスケットボールでシュートを決める,サッカーで味方にパスをする,野球でキャッチャーの構えたところにボールを投げる,
バレーボールやテニスで狙ったところにサーブする等,スポーツ場面では,狙ったところに正確にボールを投げたり,蹴ったり,
打ったりできるかどうかは,パフォーマンスの良し悪しに大きく関係してきます.
では,こうしたプレーをする際,どんなことに気をつけてプレーするといいんでしょうか?
コーチの立場では,選手に良いプレーをさせるために,どんなコーチングをするといいんでしょうか?
こうした疑問についての示唆を与えてくれるのが「スポーツ心理学」です.
少なからず皆さんも経験があると思いますが,狙ったところに正確にボールを投げたり,蹴ったり,打ったりすることが
上手くできていない時,指導者からどんなコーチングを受けた記憶がありますか?
また,もし自分がコーチの立場で,こういった選手に対してコーチングをする場合,どのようなコーチングをしますか?
そのヒントになる研究を紹介します.ゴルファーを対象に,カップへのアプローチショットを正確に打つ際,どんなことに気を付
けるべきかを調べた研究によると,技術レベルの高いゴルファーは,カップの位置や距離感など,自分の意識を狙っている対象物に
向けたほうがスイングが安定するのに対して,技術レベルの低いゴルファーは,スイングのフォームやスイングの力加減に意識を
向けたほうがパフォーマンスが安定するそうです.
この研究を参考にすると,ビギナーの人や苦手なプレーを練習する際には,自分自身の意識を向けること,ある程度のプレー経験
のある人やプレーの精度を高めたいときには,自分の意識を外側に向けることが大事だと言えます.
スポーツに関わる課題を心理学的側面から明らかにして,スポーツの実践や指導に活かすための学問分野が「スポーツ心理学」です.
夏原隆之(健康・スポーツ心理学科)
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