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石崎 一記


石崎 一記(いしざき かずき:応用心理学部 健康・スポーツ心理学科)
主な担当授業名:発達心理学、グループアプローチ
専門:発達心理学、カウンセリング

生き生きしているのはどんなとき?

好きな人といるとき、好きなことをしているとき、得意なことをしているとき、何かをやり遂げたとき、誰かの役に立っていると感じるとき。そう答えた人も多いでしょう。

生き生きとする3つの大切なこと

第1は、周りの人や環境とつながっているという実感です。自分がひとりきりだと感じているときには、生き生きとできません。関係性といいます。
第2は、自己決定です。これは、自分の行動は自分で決めているという実感です。いやいやながらやるときは何をしても楽しくなれません。好きなことをしているときに生き生きとしているのは、自由の感覚があるからです。
第3は、自分が周囲に何らかの影響を及ぼしているという実感です。どうせ自分なんかいてもいなくても関係ないと思っているときは生き生きとしていません。自分はやれるという自信や、誰かの役に立っているという喜びは人を生き生きとさせてくれます。有能(コンピテンス)といいます。

いきいきとする秘訣

やりたくないことでも、ものの考え方次第で楽しくすることができます。関係性、自己決定、有能を意識すればいいのです。あなたの頑張る姿を喜んでくれる人のことを想像すること。ありがとうって言ってくれる人もたくさんいるはずです。どうせやらなければならないことなら、それを好きになりましょう。やりたいからやっているという気持ちが強くなってくるはずです。続けていれば、得意になって、有能感も高まっていきます。「めんどくさい」「どうせじぶんなんか」「いやだから、やらない」といった言葉は、ぐっと飲み込んで、あなたも今日から、もっと生き生きとした毎日を送ってください。

子どもだましでは子どもはだませない

カウンセラーにとって大切なこと

毎年夏に幼児から中学生くらいまでの子どもたちを30人くらい集めて「援助的サマースクール」をやっています。学部学生や卒業生、大学院修了生など50人近いスタッフと一緒に、5泊6日の合宿です。夏休みの思い出作りばかりでなく、不登校、発達障害、虐待などの問題を抱えている子どももいます。彼らと一緒に毎日自然の中で遊びます。
そのなかで子どもたちから、カウンセラーにとって大切なものをたくさん教えてもらいました。カウンセラーの基本的態度として、自己一致、共感的理解、無条件の肯定的関心があげられています。自己一致とは、自分の感じていることや体験、自分ってこんな人という考えがすべて一致していて、嘘やごまかし、見栄や卑下がなく、ありのままでいることです。共感的理解とは、相手の話をまるで自分も体験しているような気持ちで聞きながら、相手の身になって理解しようとすることです。また、無条件の肯定的関心は、相手をありのままに受け入れることです。

子どもはだませない?

子どもたちに好かれようとして、作り笑いで近づいていっても子どもは離れていってしまいます。できるように手伝おうとすれば、邪魔しないでと断られてしまいます。職業も、肩書きも、業績も年齢も、子どもたちにとっては何の意味もありません。技術も知識も、関係を作れなければ、何の役にも立ちません。うまくやるにはどうしたらいいかと考えても、答えは見つからないのです。こどもだましは一切通用しません。

私たちにできること

私たちにできることは、彼らのその時々の気持ちを感じようとすること、彼らを大事に思って、好きになることだけです。私たちがそういう態度で一緒に生活して、自然の中で遊んでいると、子どもたちはどんどん元気になっていきます。自分のことが好きになって、自信が高まっていくのが見ていて分かるほどです。それをみて、私たちも元気をもらっているような気がします。みなさんも、子どもたちの命の輝きに触れてみませんか。
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