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研究活動の紹介:「パフォーマンス・アクティビズムへの関心」(茂呂 雄二教授)


2023年11月27日
Friedman, D. (2021). Performance Activism: Precursors and Contemporary Pioneers. Palgrave.
(『パフォーマンス・アクティビズム:先駆者たちと現代のパイオニアたち』ダニエル・フリードマン著)

パフォーマンス研究という領域の最近の動きを知る必要があって、上の書籍を読んでいます。パフォーマンス研究は、演劇研究、文化人類学、心理学などの学際的研究領域であり、結婚式から宗教儀礼、ハプニングなどの前衛芸術、子どもの即興的遊びを通した発達過程など私たちの幅広い表現活動をパフォーマンスという観点から見てみようという、1960年代から始まった比較的新しい学問領域です。

著者のフリードマン氏は、演劇史で学位をとった戯曲家で劇場付の芸術監督でもあり、長い間ニューヨークで貧困の子どもたちや若者たちと舞台作りを実践してきた人です。同時にハーバード大を含む複数の大学で演劇論を教えてきた人です。彼のパートナーで発達心理学者であるロイス・ホルツマン氏をニューヨークに訪ねて以来、フリードマン氏とも12年ほど交流してきました。

実は、パフォーマンス研究の領域は日本語ではあまり良い紹介本がないので、ページを捲るたびに色々な発見があります。またよくわかっていなかった基礎的なことも教えてくれる本なので大変助かっています。

また、著者本人が、パフォーマンスを子供たちの発達支援に実際役立てようとしてきた実践家なので、さまざまな活動論=アクティビズムの動きも知ることができます。可能ならば、翻訳・出版して、多くの研究者や実践家にも読んでもらいたいと思う本です。

今は、月1のペースで研究仲間たちと読書会を行なっています。3月には、著者を招いて(オンラインですが)質疑応答するセッションを開催しようと計画中です。

(臨床心理学科 茂呂 雄二)
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