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授業紹介:質的分析法


2023年12月1日
担当教員:福山 裕宣准教授
「質的研究」では、どんなことが、なぜ、どのように起こっているのかに注目し、質的データを用いて、実験や統計には適さない現象や課題を具体的な人や状況に基づいて解明・解釈していきます。

質的データの収集法は、大きく分けて、面接(インタビュー)法、観察法の2つに分けられます。研究対象の観察・記述自体は誰にでもできそうにみえますが、対象となる事象を何気なく見ているだけでは十分に詳細な情報を得ることは困難です。そのため、実際には、ビデオを用いて何度も観察し、客観的に検討したりしています。しかし、対象のどこを選ぶのかを決めたり、特徴を見出す際、観察者の認知能力や視点、願望や期待に、結果がしばしば影響を受けたりすることも知られています。

観察法の単元では、実際に観察するエクササイズを通して、見えたことを文章化したり、図や絵で表現したりしてもらっています。その過程で、様々な気づきを得てくれているようです。

受講学生の感想

  • 見たままを記載するという単純に聞こえる作業であっても、書き手の知識力やどのような相手にも伝わるような言葉使い、限られた時間でどの点をフォーカスするかという着眼点等のような様々な観察に関係する要素が求められていることに気づきました。そして、私自身は特に、どのような相手にも伝わるような言葉使いとして、語彙をより増やす必要があるのではないかと、三つ目の演習を行っている際に感じました。
  • 今回の演習では、何気なく取り組んだ作業が、実は、自身の物事の見方(どこを抽出しやすいか、最初に何に目を向けているか)を表現していた。その自身の物事の見方に関しては、ゲシュタルト心理学(図と地)の基本的な考えに近しい考え方であると感じられ、応用系の心理学を専攻する学生にとって、その焦点化、見ていない・見えていない部分というのは、非常に考えるべき話題であったと捉えている。


(臨床心理学科)
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