2025年7月7日
このQ＆Aコラムでは、毎回、高校生のみなさんからいただいた臨床心理学についての質問に、臨床心理学科の教員がお答えしていきます。

回答者：石村 郁夫准教授
とても良い質問ですね。

臨床心理学を学ぶことは、自分自身のメンタルヘルスを守るために大いに役立つことがあります。ただし、それは「完全に守れる」という意味ではありません。むしろ、「気づきやすくなり、対処しやすくなる」と言ったほうが正確です。

臨床心理学を学ぶと、自分の感情の変化やストレスに気づきやすくなったり、人との関係で何が起きているかを理解しやすくなったりします。また、科学的に効果があるとされるストレス対処法やセルフケアの方法を学ぶことができます。これは自分自身を大切にする上でも大きな助けになります。

でも、心理学を学んだからといって、まったく落ち込まない、ストレスを感じない、というわけではありません。心理学者自身も悩むことがあります。ただ、悩んだときに「どうすればいいか」を考える力を持っている、または助けを求めることの大切さを知っている、という点で強みを持っているのです。

だから、臨床心理学を学ぶことは、自分自身を守る力を育てることにつながります。そしてそれは同時に他の人を支える力にもなっていくのです。

（臨床心理学科）