2025年12月2日
「もっと可愛くなりたい」「モデルみたいに痩せたい」。高校生なら、誰でも一度は自分の体型を気にしたことがあるのではないでしょうか。適度なダイエットならば問題ありませんが、もしも「食べること（あるいは食べないこと）」が頭の中を支配し、学校生活や健康に支障が出るようなら、それは「摂食障害」という病気かもしれません。

摂食障害は、単に行き過ぎたダイエットではなく心の病気です。多いのは以下の2つのタイプです（最近「むちゃ食い症」も増えていますが省略します）。
・神経性やせ症：太ることを極端に恐れ、食事を拒んだり、痩せるために激しい運動をしたりして、命に関わるほど痩せてしまうもの。
・神経性過食症：不安やストレスなどから大量の食べ物を詰め込むように食べる。その後に「太りたくない」という恐怖や食べすぎてしまったことへの罪悪感から吐いたり下剤を使ったりしてしまうこともある。

摂食障害の原因は複雑です。「痩せたい」という気持ちがきっかけになることは多いですが、根底には以下のような心理的要因が隠れていることもよくあります。自分に自信が持てない。勉強や人間関係のストレスが強すぎる。「完璧でなければならない」というこだわり。摂食障害の人たちはこれらからくる、言葉にできない「つらい」という気持ちや不安を、体重や食事をコントロールすることで解消しようとしています。

では、摂食障害の人たちへの心理的な支援や医学的な治療として、どのようなことが行われているでしょうか。2年次科目「心身疾患とその治療」で詳しく説明しています。

（臨床心理学科）