グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ

高校生の質問にお答えします⑥「心理学を学ぶと、どのようなことができるようになりますか?」


2025年12月23日
このQ&Aコラムでは、毎回、高校生のみなさんからいただいた臨床心理学についての質問に、臨床心理学科の教員がお答えしていきます。

Q.心理学を学ぶと、どのようなことができるようになりますか?

回答者:井上 忠典教授
心理学を学ぶことによって、人の心や行動をより深く理解することができるようになり、その理解にもとづいて、日常生活や人間関係、仕事などの場面で、より適切な行動をとれるようになり、生活の質を高めることができます。具体的には次のようなことが考えられます。

①自己理解と自己成長
わかっているようでいて、意外とわからないのが自分自身です。自分の性格や行動パターンといったものは、何事もなければ普段は気になりません。しかし、中高生になり成長に伴って気分が変わりやすくなったり、ストレスを感じやすくなって心身に不調が起きたりすると、自分自身に何が起きているのか、ストレスを受けやすいのはなぜなのか、と考え込んだりもします。そのような時に、人の心はどのように発達していくのか、あるいは自分の性格はどのようなものなのか、といったことがわかると、自分自身についての理解が深まり、改善すべきところもわかります。これらが自己成長につながります。

②他者理解と関係の改善
人の心や行動をより理解できるようになると、自分自身だけでなく、家族や友だちといった他者についても理解を深めることができます。例えば、友だちとの関係でトラブルが起きたりすると、そのトラブルの原因は何なのか、相手はどのような性格で、どのような特性を持っているのか、といったことも考えることができます。さらにはコミュニケーションのよりよい取り方とはどんなものなのか、関係を改善するための方策を探ることも可能です。

③仕事への活用
このような心や行動の理解は、社会人になってからも活かすことができます。どんな仕事でも人との関わりは大切であり、よりよいコミュニケーションが仕事の潤滑油になります。また、仕事への動機づけを高めて、仕事のパフォーマンスを挙げることも重要です。あるいは、商品開発や営業の際に、どのような商品にニーズがあるのかを分析したり、どのようにすれば売り上げが上がるのか、営業戦略を立てたりするのに、心理学の知識が役立ちます。

④専門的な心理的支援
心理学をより専門的に学ぶと、専門家として心理的に人を支え、その悩みの解決を援助することができます。専門的な知識とスキルを習得し、公認心理師や臨床心理師の資格を取得し、学校、病院、企業などの場で、心理相談やカウンセリングを行います。心理相談やカウンセリングは、心理的に困っている人を支援することが本来の目的ですが、その活動を通じて心理臨床家・カウンセラー自身も人間的に成長することができます。

このように、心理学を学ぶことで身につく力は、どんな職業にも人間関係にも応用できる「一生使える力」となります。

(臨床心理学科)
  1. ホーム
  2.  >  臨床心理学科からのお知らせ
  3.  >  高校生の質問にお答えします⑥「心理学を学ぶと、どのようなことができるようになりますか?」
資料請求・デジタルパンフ