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高校生の質問にお答えします⑮「『カウンセリング』と『セラピー』の違いは何ですか?」


2026年4月20日

このQ&Aコラムでは、毎回、高校生のみなさんからいただいた臨床心理学についての質問に、臨床心理学科の教員がお答えしていきます。

Q.「カウンセリング」と「セラピー」の違いは何ですか?

回答者:佐藤 章子特任教授
「カウンセリング(counseling)」とよく似た言葉に「サイコセラピー(psychotherapy)」があります。サイコセラピー(psychotherapy)は日本語で「心理療法」と訳されます。どちらも、悩みや心理的問題を抱える人を言語的・非言語的コミュニケーションを通して専門的に支える援助を指します。両者を区別して説明する立場もありますが、日本では両者を厳密に区別せず使われることが多いです。

区別する立場では、カウンセリングは、悩みの相談への援助に加えて、問題の発生前に働きかけを行う予防的カウンセリング等まで含む幅広い援助として捉えられます。そのため「問題が比較的軽い人や健康な人を対象にすることが多い」と説明されることがあります。

それに対して心理療法は、不安や抑うつ、強迫などの「症状」や生活上の支障が続く場合に、精神分析や認知行動療法など、一連の専門的に体系化されたアプローチにもとづいて改善を目指す方法として説明され、より治療的な意味合いが強いとされます。

このように両者を区別する考え方がある一方で、Rogers(1942)のように、カウンセリングと心理療法を本質的に区別しない立場もあります。Rogersは当初「非指示的カウンセリング」を提唱しましたが、のちにこの立場は「クライエント中心療法」に変更され、心理療法の一つとして位置づけられています。

日本では「カウンセリング」「心理療法」がほぼ同じように使われ、病院でも「カウンセリング」という言い方が用いられることは珍しくありません。言葉の違いだけに注目するよりも、実際にどのような目的で、どのような方法による援助が行われているかを具体的に見ていくことが大切になります。

(臨床心理学科)
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