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高校生の質問にお答えします⑳「Q:心理学の授業では、どんな実験や活動をするのですか?」


2026年9月16日
このQ&Aコラムでは、毎回、高校生のみなさんからいただいた臨床心理学についての質問に、臨床心理学科の教員がお答えしていきます。

Q.心理学の授業では、どんな実験や活動をするのですか?

回答者:一谷 幸男教授
授業の形式はさまざまで、講義、講読、演習、実習などありますが、そのうち1−2年次の「心理学実験」の授業を紹介します。心理学の基礎的な方法についての科目として必修になっています。

例えば、私たちが感じる「見え」の世界は、物理的な世界とはかなり異なることを日常でも経験しますが、実験では典型的な錯視(見えの錯覚)が生じるような場面で感覚の量を測定し、どんな要因が影響するのかを体験します。知覚・認知の仕組みを理解する上でとても重要です。あるいは、国語辞典には載っていないような語のつづり(「無意味つづり」と呼びます)十数個を準備して、一定の順番で次々と提示して繰り返し、それを憶えてもらうという記憶の実験もあります。系列の中でどの順番にある語が思い出しやすいかを調べて、それはどうしてなのかを考えてみます。他者が自分に近づいても不快に感じない範囲をパーソナルスペースと呼びますが、実験では他人が徐々に近づいてきたときに、どの程度まで近づくと緊張や不快感を覚えるか、近づいてくる方向、相手との関係性、相手が自分と同性か異性かによってどう変わるか、実際に距離を計測してみます。どんな要因が影響してどのように結果が変化するかを図示しながら分析し、各自で考察をまとめるところまでが課題になります。

実験による研究は心理学の科学的な方法のひとつであり、ほかにも観察法、面接法、調査法、事例研究法などいろいろなアプローチがあります。それらの方法について学ぶ「心理学研究法」という科目も設定されています。実験法の強みは、いろいろな心のはたらきや人の行動の成り立ちについて、いくつもの要因を仮説として取り上げながら、その因果関係を丁寧に検証していくことができることです。臨床心理学における人の心の支援でも、実験から得られた知見が役割を果たしています。

(臨床心理学科)
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