グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ

着任のご挨拶:湯 立 助教


2021年7月1日より東京成徳大学応用心理学部臨床心理学科助教に着任いたしました,湯立(トウ リツ)と申します。

私は中国の出身で,大学を卒業後,2012年に来日し,その後の約9年間,筑波大学で過ごしていました。2020年3月に筑波大学大学院人間総合科学研究科で博士学位を取得し,2019年12月から2021年6月までの間,筑波大学人間系の特任助教として勤務していました。

専門は教育心理学で,動機づけ(日常用語で言うと「やる気」や「モチベーション」のこと)に関する研究を行っています。大学時代は心理学ではなく,日本語を専攻していました。そのときに,人間の言語習得に興味を持ち,心理学を学び始めました。その中で,科学的な手法でこころの仕組みや働きを探求するこの学問に魅力を感じ,大学院では心理学に進むことにしました。

動機づけの研究を始めたきっかけは,語学の習得において(知識・技能を習得することの多くもそうだと思いますが),地道な努力を積み重ね,学び続けることが大切だと感じたからです。どうしたら,学び続けられるのでしょうか?当時素朴に思ったのは,興味を持つと続けられるだろうということでした。そこで,修士論文・博士論文では,「興味」の研究に取り組んでいました。

「興味が湧く」「興味を持つ」など,興味という言葉は日常的な言葉として使われているので,興味とは何かについて,皆さんは普段あまり考えないかもしれません。

簡単に説明すると,興味とは,「興味が湧く」で表現されるような一時的な心理状態であると同時に,「興味を持つ」で表現されるようなより安定した個人的傾向でもあります。

興味は「あり」・「なし」の2分法で考えられがちですが,実は,発達(深化)するものです。

興味発達の初期段階では,ニュースやふと見かけた情景など,何かのトリガー(特定の内容や出来事)によって一時的な興味が喚起されます。

この一時的な興味は持続しない場合もありますが,興味の対象が自分に関係するあるいは意義・価値があると感じたときには,興味が維持され,興味対象に再び取り組もうとします。そして,興味対象に取り組む中で,心理状態としての興味を繰り返し体験し,知識と価値が蓄積していきます。

最終的には,ポジティブな感情,豊かな知識と価値によって特徴付けられるより安定した個人傾向としての興味が形成されます。このように,興味はどの年齢の人においても,発達可能です。

学生の皆様,是非大学でご自身の興味に出会って,深い興味を育ててください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(臨床心理学科 湯 立)
  1. ホーム
  2.  >  臨床心理学科からのお知らせ
  3.  >  着任のご挨拶:湯 立 助教
資料請求・デジタルパンフ