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グローバルな視点を育てる国際学(2)「アメリカ・カナダ文化研究」


2025年7月15日
現代のグローバル社会では、世界の多様な価値観についての理解に基づき、自国の社会・文化に対する認識を深め、外国の社会・文化を尊重し、国際関係や地球規模の課題に取り組んでいくことが求められています。国際学部では、そのような能力を養成するために、幅広い知識や、国際社会及び多文化への理解をもとに問題発見・解決力を身につけるカリキュラムが充実しています。このシリーズでは、そうした目標を実現する授業を一つひとつ紹介していきます。

アメリカ・カナダ文化研究(3年選択科目)

担当教員:長島 怜央准教授
この授業では、アメリカとカナダにおけるアフリカ系や先住民、および日系人を含むアジア系などへの差別やそれらの人びとの社会運動の歴史を通して、両国の多文化社会としてのダイナミクスを理解し、多文化主義の課題について考えます。

授業では前半の数回を使って、現代のアメリカやカナダを含めた欧米諸国で起きている人種・エスニック問題の状況を、具体的事例を通して受講生と共有します。「イスラモフォビア(イスラム恐怖症、イスラム嫌悪)」や「白人至上主義」「白人ナショナリズム」などがキーワードになります。

それに続いて、人種・エスニック問題の歴史を、18世紀の近代的な人種概念の誕生にさかのぼって見ていきます。現在では生物学的な人種概念は否定されていますが、かつてはさまざまな学問分野が動員されて正当化されていました。そして、アメリカの歴史を中心にして、「奴隷制度」や「人種隔離制度(ジム・クロウ)」について考えます。さらには、「公民権運動」をはじめとするマイノリティや先住民の社会運動の歴史にも注目します。差別撤廃や平等、あるいは補償、自己決定権や主権を求めて、多くの人びとが闘ってきました。

授業で使用する教科書や資料

授業で使用する教科書や資料

このようなアメリカのナショナリズムに含まれる人種・エスニシティに関連した排除と包摂という2つの側面を理解することはとても重要です。また、格差や社会的不平等と人種・エスニシティの関連性について理解することも欠かせません。さらには、多文化社会のあり方をめぐる理解の相違が、アメリカの社会・文化・政治のいたるところでさまざまな対立を生み出していることも理解しなければなりません。カナダも以上のようなアメリカの状況と重なり合うところがあります。

同様の問題や現象は世界各地で起きてきました。それらは現在私たちが暮らす日本においても十分に想像力を働かせて考えることができることばかりです。アメリカやカナダの歩みからも私たちは多くのことを学ぶことができるでしょう。
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