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グローバルな視点を育てる国際学(4)「韓国文化研究」


2025年9月15日
現代のグローバル社会では、世界の多様な価値観についての理解に基づき、自国の社会・文化に対する認識を深め、外国の社会・文化を尊重し、国際関係や地球規模の課題に取り組んでいくことが求められています。国際学部では、そのような能力を養成するために、幅広い知識や、国際社会及び多文化への理解をもとに問題発見・解決力を身につけるカリキュラムが充実しています。このシリーズでは、そうした目標を実現する授業を一つひとつ紹介していきます。

韓国文化研究(3年選択科目)

担当教員:水谷 清佳教授
本授業は韓国社会の特徴や変化を軸に、韓国文化を多角的に理解することを目的としています。朝鮮時代から現代までの流れのなかで、社会的変化と密接に関連した文化現象の成り立ちと変容を取り上げます。特に時代ごとの社会状況や価値観の変化が文化にどのような影響を与え、人々がそれにどのように対応し、新しい文化を創造してきたのかを読み解きます。

まず韓国文化の基礎として儒教的価値観やそれが日常生活・社会制度に及ぼした影響、ハングル文字の誕生と普及の背景、宮中舞踊や仮面劇などの伝統文化を学びます。朝鮮時代に誕生したこれらの文化は、社会の階層構造や宗教的価値観、地域ごとの風土と密接に関わっており、韓国文化の土台を理解するうえで欠かせません。

近代期では19世紀末から20世紀初頭にかけての近代化と西洋文化の流入を取り上げます。近代式劇場の誕生や公演文化の発展は、単なる娯楽の変化ではなく、社会思想や政治的意識の変化とも結びついていました。また、「新女性」と呼ばれる近代的女性像の登場や、妓生が文化的・社会的に果たした役割など、ジェンダーの観点からも文化の変容を考察します。
さらに民主化運動期にはマダン劇や広場文化など、人々が公共空間を舞台に政治的・社会的メッセージを表現した文化が生まれました。これらは芸術活動の枠を超えて社会変革の原動力として機能し、現代韓国の市民意識にも大きな影響を与えています。

現代においてはKカルチャーとして小説、K-POPなどのポピュラー文化の韓国内外での受容、国際的な広がりを見せているファンダム文化について分析します。SNSやデジタルメディアの普及によって変化した文化の発信・受容のあり方にも注目し、特にグローバル化と韓国独自の文化の融合についても目を向けて世界の中の韓国文化を理解します。

本授業では単に「韓国文化を知る」だけでなく、文化を通して社会や人々の生き方を読み解く力を身につけ、国際的な視野を広げてほしいと思います。

宮中舞踊の伝統を守り現在も
受け継がれる晋州剣舞

(国際学科)
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