グローバルな視点を育てる国際学(5)「アジア太平洋安全保障研究」
2025年10月15日
現代のグローバル社会では、世界の多様な価値観についての理解に基づき、自国の社会・文化に対する認識を深め、外国の社会・文化を尊重し、国際関係や地球規模の課題に取り組んでいくことが求められています。国際学部では、そのような能力を養成するために、幅広い知識や、国際社会及び多文化への理解をもとに問題発見・解決力を身につけるカリキュラムが充実しています。このシリーズでは、そうした目標を実現する授業を一つひとつ紹介していきます。
現代のグローバル社会では、世界の多様な価値観についての理解に基づき、自国の社会・文化に対する認識を深め、外国の社会・文化を尊重し、国際関係や地球規模の課題に取り組んでいくことが求められています。国際学部では、そのような能力を養成するために、幅広い知識や、国際社会及び多文化への理解をもとに問題発見・解決力を身につけるカリキュラムが充実しています。このシリーズでは、そうした目標を実現する授業を一つひとつ紹介していきます。
アジア太平洋安全保障研究(3年選択科目)
担当教員:李 正勲准教授
この授業は、冷戦期から現代に至るアジア太平洋地域における安全保障を幅広く考察し、国際関係を多角的に理解する力を養うことを目的としています。安全保障というと軍事力や国家間の対立といったイメージが強いかもしれませんが、実際には「国家の安全」に加えて「人々の暮らし」や「経済活動」にも深く関わっています。そこで本授業では、伝統的安全保障、非伝統的安全保障、経済安全保障という三つの観点から、同地域における安全保障の意味と課題を総合的に捉え直していきます。
まず、伝統的安全保障では、冷戦期に形成された軍事同盟や二国間関係を中心に学びます。朝鮮戦争やベトナム戦争といった歴史的な出来事を通じて、国家の存立や軍事力の均衡が国際秩序にどのような影響を与えたのかを考えていきます。こうした事例は過去の出来事ではなく、今日の地域情勢や国際関係を理解する基盤となる重要な要素でもあります。
次に、非伝統的安全保障については、平和研究や人間の安全保障、国際テロリズム、感染症、環境問題など、国家間の戦争にとどまらない新しい課題を取り上げます。これらは国境を越えて人々の生活に影響を及ぼすため、国家の政策だけでなく国際協力や市民社会の役割も重要となります。
この授業は、冷戦期から現代に至るアジア太平洋地域における安全保障を幅広く考察し、国際関係を多角的に理解する力を養うことを目的としています。安全保障というと軍事力や国家間の対立といったイメージが強いかもしれませんが、実際には「国家の安全」に加えて「人々の暮らし」や「経済活動」にも深く関わっています。そこで本授業では、伝統的安全保障、非伝統的安全保障、経済安全保障という三つの観点から、同地域における安全保障の意味と課題を総合的に捉え直していきます。
まず、伝統的安全保障では、冷戦期に形成された軍事同盟や二国間関係を中心に学びます。朝鮮戦争やベトナム戦争といった歴史的な出来事を通じて、国家の存立や軍事力の均衡が国際秩序にどのような影響を与えたのかを考えていきます。こうした事例は過去の出来事ではなく、今日の地域情勢や国際関係を理解する基盤となる重要な要素でもあります。
次に、非伝統的安全保障については、平和研究や人間の安全保障、国際テロリズム、感染症、環境問題など、国家間の戦争にとどまらない新しい課題を取り上げます。これらは国境を越えて人々の生活に影響を及ぼすため、国家の政策だけでなく国際協力や市民社会の役割も重要となります。
さらに、近年注目される経済安全保障についても考察します。新自由主義の拡大や資本市場の開放に伴う国境を越えての人やモノ、情報など様々なレベルでの越境、また資源やエネルギーの安定的な供給、サプライチェーンの強靭性などは、国の安全保障と密接に結びついています。アジア太平洋地域は経済成長のダイナミズムを持つ一方で、経済的な依存関係が新たな緊張やリスクを生み出す場でもあります。この観点からも、国家間関係や国際制度を分析することが欠かせないと思います。
授業の後半では、冷戦終結後の国際秩序の変化を踏まえ、核拡散問題をいかに解決するかという国際的取り組み(例:6か国協議)、集団安全保障の議論の行方、さらに米国での9.11同時多発テロ以降に広がった地域安全保障の新しい動向などを取り上げます。これらの国際課題を通じて、学生自身が現代の安全保障の本質を主体的に考察できるように導きます。
授業全体を通して、学生は単に歴史や理論を知るだけでなく、過去と現在を結びつけて理解する力を培います。そこからさらに、アジア太平洋地域における安全保障の変化を読み解き、喫緊の課題を批判的かつ論理的に考察し、自分の言葉で発信する力を磨いていきます。こうした力は、地域情勢の理解に限らず、広くグローバル社会で必要とされる基盤的な能力となるでしょう。
【シリーズ記事】
グローバルな視点を育てる国際学(1)「グローバリゼーション論」
グローバルな視点を育てる国際学(2)「アメリカ・カナダ文化研究」
グローバルな視点を育てる国際学(3)「国際協力論」
グローバルな視点を育てる国際学(4)「韓国文化研究」
(国際学科)
授業全体を通して、学生は単に歴史や理論を知るだけでなく、過去と現在を結びつけて理解する力を培います。そこからさらに、アジア太平洋地域における安全保障の変化を読み解き、喫緊の課題を批判的かつ論理的に考察し、自分の言葉で発信する力を磨いていきます。こうした力は、地域情勢の理解に限らず、広くグローバル社会で必要とされる基盤的な能力となるでしょう。
【シリーズ記事】
グローバルな視点を育てる国際学(1)「グローバリゼーション論」
グローバルな視点を育てる国際学(2)「アメリカ・カナダ文化研究」
グローバルな視点を育てる国際学(3)「国際協力論」
グローバルな視点を育てる国際学(4)「韓国文化研究」
(国際学科)