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健康・スポーツ心理学科教員が語る「スポーツ心理学は『まだ夢が決まっていないあなた』の力になる」


2026年6月12日
夏原 隆之准教授
「スポーツ心理学」と聞くと、アスリートだけの学問だと思う人がいるかもしれません。でも、実際はそうではありません。ここでは、スポーツ心理学という学びの魅力と広がりについて、私なりにお伝えしたいと思います。

たとえば、こんな経験はありませんか。
  • 練習ではできるのに、本番になるとうまくいかない
  • やる気が出る日と出ない日の差が大きい
  • チームの雰囲気で、自分の力の出方が変わる
  • 失敗を引きずってしまう
  • 逆に、誰かの声かけで急に前向きになれた

こうした出来事は、スポーツの場面だけに限りません。勉強、部活動、受験、人間関係、将来の仕事――私たちの日常には、「心の動きが行動や結果に影響する場面」がたくさんあります。スポーツ心理学は、そうした身近な体験を、心理学の視点から読み解く学問です。そしてその学びは、スポーツ場面にとどまらず、人がさまざまな場面でよりよく力を発揮するにはどうすればよいかを考えることにもつながります。言い換えればスポーツ心理学は、競技力だけでなく、学習、対人関係、仕事なども含めた、人のパフォーマンスを支える視点を学ぶ分野でもあるのです。

「気合い」や「根性」で片づけるのではなく、なぜ緊張するのか、なぜ自信を持てるのか、なぜチームで力が高まるのかを、理論と実践の両方から考えていきます。

さらに、健康・スポーツ心理学科で学ぶスポーツ心理学の面白さは、単に知識を覚えることではありません。自分の経験を振り返りながら、「あのときの自分は、こういうことだったのか」と理解を深められることです。たとえば、本番で緊張してしまうのは悪いこととは限りません。適度な緊張は集中力を高め、パフォーマンスを支えることもあります。また、「やる気があるかないか」で考えがちなモチベーションも、実は目標の立て方や周囲との関わり方によって変わっていきます。さらに、チームワークやリーダーシップ、コミュニケーションのあり方も、心理学的に理解することで見え方が大きく変わります。つまりスポーツ心理学は、スポーツをしている人のためだけの学問ではなく、自分を知る力、他者と関わる力、よりよく力を発揮する力を育てる学びでもあるのです。だからこそ、「将来やりたいことがまだはっきり決まっていない」という人にも、スポーツ心理学は向いています。むしろ、まだ進路が一つに定まっていない段階だからこそ、この学びは広く役立ちます。

スポーツに関わる仕事はもちろん、教育、健康支援、対人援助、企業での人材育成やチームづくりなど、スポーツ心理学で身につける視点は、社会のさまざまな場面で活かすことができます。高校生の段階で、自分の将来を明確に言い切れる人ばかりではありません。「何に興味があるのか、まだよくわからない」「でも、人の心や行動、スポーツや健康には関心がある」そんな人にこそ、この学科での学びを知ってほしいと思います。

スポーツ心理学は、目に見えない「心」を扱う心理学の一分野です。しかしその学びは、とても実践的です。自分の経験と結びつけながら理解でき、日常や将来の仕事にもつながっていく。それが、この分野の大きな魅力です。

もしあなたが、「まだ夢は決まっていないけれど、何か人の役に立つことを学びたい」「スポーツや健康に関わりながら、自分自身も成長したい」、そう考えているなら、スポーツ心理学はその入り口になるかもしれません。学びたいことが、今はまだはっきりしていなくても大丈夫です。大学での学びを通して、自分の興味や可能性は、少しずつ見えてきます。スポーツ心理学は、その最初の一歩を支えてくれる学問です。

この記事が、皆さん一人ひとりにとって、自分の将来や学びたいことを考えるきっかけになれば幸いです。そして、スポーツ心理学に魅力を感じた方と、大学でともに学べることを楽しみにしています。
連載「健康・スポーツ心理学科教員が語る」


(健康・スポーツ心理学科)
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