グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ

井上 忠典


井上 忠典(いのうえ ただのり:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:心理療法概論、青年心理学、臨床心理学演習
専門:リラクセーション法(催眠、自律訓練法)、青年期の心理的適応

反抗期はいらない!?

反抗期って何?

みなさんには、「反抗期」がありますか、もしくはありましたか?子どもの発達の特徴として、小学生までは親に依存的ですが、中学生になると急に反抗的になります。学校や友だちについ て話さなくなり、視が尋ねても「べつに一」と答え、 自分の部屋に入ったまま出てこないといったこともみられます。時には、大声を上げたり、ものに当たり散らしたり。ひと昔前まで、子どもには反抗期があると考えられていました。

反抗期はなくなった!?

最近の子どもたちは、親に反抗しなくなった、と言われています。俗にいう「友だち親子」 が増えてきているようです。ある調査では、約半数の中学生たちが父親·母親と「とても·かなりうまくいっている」と回答しています。20~30年前は「思春期危機」という心理的に不安定な時期があると考えられていましたが、今では「青年期平穏説」という主張の方が強くな っています。

反抗期はいらないのか?

反抗期がなくなってきた理由として、「親がものわかりが良くなった」「親子間での価値観の違いが小さくなった」などがあります。子どもとしては、居心地のいい家庭環境が用意され、反抗の必要がなくなったのでしょう。けれど、デメリットはないのでしょうか?間題のひとつは、親からの自立の欲求が薄れることです。 親元を離れたいとは思わず、いつまでも子どもの ままでいるために、ニートやフリーターを続けたり、結婚をしない若者が増えるという心配があります。

「青年よ、荒野をめざせ!」

昔、「青年は荒野をめざす」(春秋文庫)という五木寛之の小説がありました。 自由と夢を求めて、 自分の道を切り開いていく青年像を描いた作品です。 自分が何をやりたいのか、 探し求めていくためには、 親の庇護の元から抜け出して、 自分一人で生きていく覚悟が必要なのかもしれません。

「催眠」ってあやしい?

催眠って何?

「催眠」について、どんなイメージをお持ちですか?たいていの人は、テレビで見た催眠術を使ったショー催眠を思い浮かべるようです。催眠術師が言葉をかけると、座っている相手の人が立てなくなったり、わさびを食べても甘い味がしたり、不思議で怪しげな光景を思い出すでしょう。これらは、催眠によって引き起こされた現象をおもしろおかしく見せているに過ぎません。

催眠の墓本

催眠は、当たり前でありながらとても興味深い現象で、簡単なものは自分自身に対してもできます。「シュヴリウルの振り子」という古くからの方法があります。五円玉に30センチほどのたこ糸をくくりつけて、その先を指先でつまんで、十字に丸の図を描いた用紙の中央に静止させます。その五円玉をじっと見つめながら「縦に揺れる」と心の中で念じるのです。動かそうとしてはいけません。念じるだけでいいのです。そうすると、五円限が縦に揺れ始めます。同様に、「横に揺れる」「円を描いて回る」といったことも可能です。これらの言葉を「暗示」と言います。「~になりますよ」と言われて、そうなるところをイメージすると、その暗示に反応するのが催眠です。

催眠の奥深さ

催眠は、心の現象として古くから心理学の研究対象になってきました。まだ解明されていない部分が多く、研究対象としても興味深い現象です。 それだけでなく、催眠療法として実際の心理臨床の場でも広く用いられています。深い催眠状態に入ると暗示に反応しやすくなり、覚醒状態では変化しにくい信念が、変化しやすくなるという利点があります。
  1. ホーム
  2.  >  東京成徳の心理学
  3.  >  井上 忠典
資料請求・デジタルパンフ