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夏原 隆之


夏原 隆之(なつはら たかゆき:応用心理学部 健康・スポーツ心理学科)
主な担当授業:スポーツ心理学、コーチング論、健康・スポーツ科学
専門:スポーツ心理学、コーチング学、サッカー

より良い学習のために:スポーツや勉強の実力アップにつながる

目標をきちんと立てることが大切

例えば、ダイエットのために明日から甘いものは控えよう。毎日コツコツ勉強する。〇〇の資格を取るなど、誰しも一度は、何らかの目標を立てたことがあると思います。では、実際はどうでしょう。立てた目標は達成できているでしょうか。ある調査報告によると、新年に目標を立てた人の中で、実際に目標を達成できた人は、全体の10%ほどのようです。
目標が達成できるかどうかのポイントの一つは、『目標をどのように立てたか』です。良くない目標設定とは、例えば、「次のテストでは今回よりも頑張っていい点数を取る」「試合でたくさん得点できるように練習する」などです。何が良くないかというと、目標があいまい過ぎることや、“何をもって評価するのか”という判断基準がないことが挙げられます。
目標をきちんと立てるためには、次の5つのことが大切です。①具体性:誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す。②測定可能性:目標の達成度合いを客観的に判断できるように数値化して表す。③達成可能性:希望や願望ではなく、行動すれば達成可能な現実的内容かどうかを確認する。④価値観・現実性:自分の価値観に合った目標かどうか。誰かに言われたからではなく、自分の価値観や目的にそった目標こそがモチベーションを生み出す源になります。⑤時間制約:いつまでに目標を達成するか、その具体的な期限を設定する。これら5つのことを考慮して、目標と目標達成に向けた具体的アクションをしっかり組み合わせることで、高い目標でも達成できるようになり自分の成長につながります。

主体的に取り組む

誰かにやらされるトレーニングは効果が少なく、あまり上達しません。これを、トレーニング科学では、意識性の原則といいます。最終的に高いレベルへの到達を目指す場合、自分の実力を向上させるためには、練習であっても勉強であっても主体的に取り組めているかどうかがカギになってきます。

スポーツをすることは、学力や人間力の向上に役立つ

スポーツをしたほうが知力は上がりやすい

スポーツをすると、体が疲れるので眠たくなってしまい勉強できない。勉強するためにスポーツはやめた方がいいのかな。こんなふうに考えたことはありませんか。恥ずかしながら、私は昔、そのように考えたことがあります。でも、これは間違っています。スポーツを行い心肺機能が強い人ほど、知力が高く、学校での成績も良いことが研究から証明されています。また、運動をすると記憶力が良くなったり(物事を早く覚えらえる)、物事をより柔軟に考えらえるようになる、といったことも研究から証明されています。つまり、持久力を養うようなスポーツ・運動を定期的に取り入れたほうが、知力は上がりやすいということです。こうしたことから考えると、スポーツをすることは、より良い成績を取ったり、学力を向上させるための効果的な方法の一つかもしれません。

スポーツは人を育てる

目標を決めて粘り強く努力すること、他者と力をあわせること、感情や欲望を抑えて我慢することなどを、非認知能力といいます。いわゆる、生きる力です。近年、こうした非認知能力が、将来的なより良い人生に大きく関係していることがわかってきました。例えば、スポーツ経験と非認知能力の関係について調べた研究によると、学生時代にスポーツをしていた人ほど、年収が高かったり、会社においてより高い地位に昇進していることがわかりました。では、なぜ、スポーツをしたほうがいいのでしょうか。非認知能力は、学校での勉強では身につかないのでしょうか。非認知能力は、1人で獲得できるような類のものではなく、集団での様々な関わり合いの中から身についていくものであるようです。
これからは、生涯スポーツの時代です。健康の維持・増進のためにスポーツをやるのは、とても良いことですが、それと同時に、人間力を高め、より良い人生を送るためにも、日々の生活の中にスポーツ取り入れることが望ましいと思います。
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