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佐藤 章子


佐藤 章子(さとう ふみこ:応用心理学部 健康・スポーツ心理学科)
主な担当授業:臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習Ⅲ)、心理実習
専門:思春期・青年期の心理臨床、精神分析学

失敗や困難から立ち直るには?

藤井聡太新名人

先日、将棋の藤井聡汰王将が名人戦に勝利し、史上最年少で7冠を達成されました。師匠の杉本昌隆八段によると、小学生の頃の藤井新名人は、対局に負けると大泣きし、もう立ち直れないほど泣き伏していたそうです。ところが、次の対局になるとケロッとして臨み、その切り替えの早さは明らかにプロ向きの性格だと思ったとのことです。

レジリエンス

私たちは誰でも日々さまざまな経験をする中で、時には失敗や挫折を経験します。藤井新名人のように傷ついてもすぐに立ち直れる人もいる一方で、いつまでも失敗をひきずってしまう人もいます。

困難からすばやく立ち直る力を心理学ではレジリエンスと呼んでいます。傷つかず落ち込まない強さではなく、傷ついた後に回復できる力、その「しなやかさ」に注目した概念です。

近年、レジリエンスに影響を与えるのはどのような要因なのかという研究が行われています。人とうまくコミュニケーションを取るためのスキルや問題を解決するための計画性や実行力、物事をポジティブにとらえられる「楽観性」などがレジリエンスに影響を与える要因としてあげられています。

さらに傷つきからの回復のために、レジリエンスを高める方法についての研究が始まっています。これらの研究成果が、将来、学校教育などの中に取り入れられていくことが期待されています。

テーブルの座り方と人との距離感

みなさんは家族や友人と二人でテーブルに座る時、どのような位置で座ることが多いでしょうか?

実は座る位置と人との関係性・距離感には関連があると言われています。

座る位置には「向かい合わせに座る」「テーブルの角を挟んで斜めに座る」「二人で並んで座る」という3つの位置関係があります。そのどの座り方をするかが、日常生活での人間関係と関連があります。また、カウンセリングを行う面接室でのカウンセラーとクライエント(相談に来られる方)との距離感にも関連します。

向かい合って座る場合

一般的な座り方で、日常生活では話し合いに適しています。またテーブルを挟んで少し距離があるため、改まった話ができるポジションともされています。
カウンセリングではこのテーブルを挟んだ位置関係は「対面法」と呼ばれ、よく用いられる座り方です。適度な距離感で面接が行えるとされています。

テーブルの角を挟んで斜めに座る場合

向かい合って座る場合にはお互いの顔を正面から直視する形になりますが、それを避けることができ、お互いリラックスしていられるポジションになります。日常生活では、雑談や打ち合わせなどに適した座り方とされています。

カウンセリング場面ではこの斜めの座り方は「90度(対面)法」と呼ばれます。カウンセラー、クライエントともにお互いの視線を気にせず面接が行えるという利点があり、しばしば用いられます。

並んで座る場合

次に、テーブルを前にして二人で並んで座る場合があります。この座り方は、二人が共同で何かをする時のポジションとされています。日常生活では、恋人や夫婦のような親しい関係でこの座り方をする場合が多くみられます。

大人のカウンセリング場面では、この座り方はあまり用いられることはありません。幼児に心理検査を実施するような場合に、緊張感を和らげるために、テスター(心理検査を取る人)が幼児の隣に座る場合があります。

人との距離を縮めたい時には

ここまでテーブルでの座り方と人との距離感について見てきました。日常生活で人との距離を縮めたい時には、一般的に向かい合って座るより斜めに座った方が距離が近くなり、話がしやすくなると言えます。

ここ数年、コロナ禍でソーシャルディスダンスが推奨され、人と距離を取るようになっていたと思いますが、普段の座る位置関係から周りの人との距離感を振り返り、参考にしていただければと思います。

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