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小高 佐友里


小高 佐友里(こたか さゆり:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:心理学研究法特論 臨床心理実習Ⅰ
専門:心理学 教育学

「不登校」や「いじめ」を予防するPart①

「いじめ」や「不登校」はなくならない?

2020年度は、「いじめ」の認知件数が大幅に減少しました。コロナ禍において、人と人との関わりにおけるソーシャルディスタンスを意識したからではないかとの指摘もあります。一方で、規制が緩和された2021年度の認知件数は、過去最高となっていますので、他者との関わりは不適応に影響する可能性があると考えてよいと思います。さて、「不登校」についても、年々増加の一途をたどっています。不登校の原因としては、「学習」への苦手意識、「生活」リズムの調整困難などの理由が考えられますが、一番は「友だちや先輩、先生との関係」がうまくいかずに不適応となるケースが多いようです。このように考えると、人と人との交流が想定される環境では、程度の差こそあれ、「いじめ」や「不登校」は起きうるものと考えることができるのではないでしょうか。

学校危機を予防する

このような「いじめ」や「不登校」を、学校組織や学齢期にある子どもの日常的な教育活動を揺るがしかねない何らかの出来事が、個人または集団に起こる「学校危機」の1つだと考えてみてはどうでしょうか。学校危機には「自然災害」、「事件」や「事故」といった地域社会レベルの危機だけではなく、個人レベルで起こる「不登校」、学校レベルで起こる「いじめ」といったように、様々なレベルの危機が想定されています。みなさんのこれまでの学校生活を振り返っていただくと、地域社会レベルの危機に備えて日頃から避難訓練や、安全指導を繰り返し受けてきたのではないかと思います。同じように、「いじめ」や「不登校」においても、不適応につながる要因をできるだけ少なくする取組みはもちろん、誰にでも起こりうる危機だと想定した場合、起きた際のリスクを最小限にとどめる予防の視点が重要になると考えます。

「不登校」や「いじめ」を予防するPart②

乗り越える力を身につける!

私はスクールカウンセラーの立場から、学校における「いじめ」や「不登校」をどうすれば少なくすることができるかについて考えてきました。その際、「いじめ」や「不登校」をなくそうとするのではなく、「いじめ」や「不登校」は,集団活動や他者との交流を前提とする学校生活で、コミュニケーションの練習段階にある子どもたちの成長過程では、当然に起こりうることと発想を変えてみることにしました。このように考えると、仲間とのコミュニケーションや、困ったときの他者へのヘルプの出し方、うまくいかない時の自分の気持ちとの向き合い方といった練習を日頃からしておくことで危機に備える(予防する)取組みの方向性が見えてきます。また,仮に起きたとしても、練習して身につけた力(スキル)を頼りに、また、時には周りからのサポートを上手にもらいながら、乗り超えていく危機と考えることで、突破口が開けるのではないかと考えています。

学校危機を予防するソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL)

その際に、役に立つのがSELの考え方だと思います。私はこのSELの考え方を使い、適切なコミュニケーション方法や、色々な気持ち(感情)への向き合い方を、教育活動を通して先生方が子どもたちに伝えていく声かけの仕方に加えて、スクールカウンセラーが授業者となり、先生方と協力して道徳や特別活動といった授業の中で、児童・生徒にSELを体験してもらう取組みを進めています。授業で学んだ内容を、日々の学校生活を通して練習を重ね、自分の力(スキル)としていくことで、対人関係に付随する不適応をできるだけ回避する、あるいは適切に向き合い乗り越えていく経験を通して、子どもたちの健やかな成長を支えていくことができればよいと考えています。海外の研究では、早期からSELに取り組み、自分との向き合い方や他者との関わりの力を適切に身につけた子どもは、学力においても向上が見られることがわかっています。子どもたちの輝かしい未来づくりのために、SELの取組みをSCの立場からも広げていければと願っています。
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