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田村 節子


田村 節子(たむら せつこ:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:学校心理学 カウンセリング心理学
専門:学校心理学 学校臨床

目は口ほどにものを言う?

非言語的コミュニケーション

男の子:「(女の子をじっと見つめて…)僕のこと好き?」
女の子:「あなたなんて大っ嫌い!(目をそらせて真っ赤になって逃げていく)」
さあ、問題です。この女の子は男の子のことを好きでしょうか、 嫌いでしょうか?
そうですね。女の子はきっと男の子のことが好きです。言葉は嘘をつけますが、表情やとっさの態度は嘘をつけません。このことを非言語的コミュニケーションと言います。

ダブルバインド

祖母:「このクマさんが気に入ったんだね。買ってあげるよ」
孫:「(うれしそうに)お母さん、これ買ってもらってもいい?」
母:「もちろんいいわよ」(…と、言って祖母には分からないように子どもをにらむ)
さあ、問題です。この孫は人形を祖母に買ってもらうでしょうか?
答えは、NOです。お母さんは言葉では、「買ってもらっていい」と言っていますが、目でにらみつけて「買ってもらってはダメ!」と強いメッセージを出しています。孫はこの非言語的コミュニケーションを受け取って、「やっぱり欲しくない」と人形を置いてしまうでしょう。すると追い打ちをかけるように祖母から「買ってあげるって言っているのに、まったく可愛げのない子だね」などと怒られてしまうこともあるでしょう。孫にとっては踏んだり蹴ったりですね。このお母さんのように、二つの異なるメッセージを同時に出すことを「ダブルバインド」と言います。混乱するコミュニケーションのあり方ですが、ともすると私たちもダブルバインドを多用しています。皆さんもちょっと自分のコミュニケーションのあり方を振り返ってみませんか?

学校生活の質の向上って?

「いじめの芽」は摘むことができる?

ちょっとしたことからいじめが始まります。ひとつの例として先のダブルバインドの多用があります。あまり意識したことがないと思いますが、皆さんが心理的にも肉体的にも大きく成長し出した小学校高学年頃からダブルバインドを多用し始めます。口では「一緒に遊ぼう」と誘っていながら、目で合図しあって一人の友だちをグループから省いたりすることもしばしばあります。とくに非言語的コミュニケーションを読み取るのが苦手な人は、大変な苦痛を味わうことになります。目での合図の意味や場の雰囲気がわからないからです。これはいじめのほんの一例で、今はスマホによるいじめも大問題になっています。いじめは、場合によってはその人の一生を変えてしまうほどの心理的な苦痛を与えます。でもいじめている方は、それがいじめだと認識していないことがほとんどです。そのため「いじめの芽」はいつまで経っても摘むことが難しいのです。学校だけではなく社会や家庭内にもいじめはあります。私たちと一緒に、ぜひ、この問題と向き合ってみませんか?

自分のことが好き?嫌い?

皆さんは自分のことが好きですか?嫌いですか?「自分のことが好き」と言える人は、「自分はこれでいいんだ」という自己肯定感をもてている人です。しかし、たいていは自分の嫌なところばかりが目につきがちです。そのため、学校生活もちょっとしんどくなっている人もいることでしょう。そこで、提案です。心理学には、「リフレーミング」という方法があります。枠(フレーム)をひっくり返すという意味です。自分の嫌いな所をひっくり返して好きに変えてしまおうという考え方です。そんな都合のいいことができるの?と思うかもしれません。できるんです。たとえば、「臆病なところが嫌い」→「私には慎重に考える力がある」。このように嫌いな所はすべて「私には○○の力がある」と言い換えることができます。…ということは、自分の嫌いな所がたくさんある人ほど、いっぱい素晴らしい力があることになるかもしれませんね。このようなちょっとした工夫で皆さんの学校生活の質が高まることを願っています。
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