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湯 立


湯 立(とう りつ:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:心理データ処理、教育心理学
専門:教育心理学

やる気が出ないときにどうすればいいのか?

やる気が出ないときってありますか?

あなたは、目の前の課題に対してやる気が出ないときってありますか?退屈を感じたり、難しく感じたりしてやる気が出ない状態は、誰しも経験するものです。やる気が出ないときに重要なのは、課題に向き合えるように自身のやる気を調整することです。

やる気が出ないときの対処方法

これまでの研究では、やる気が出ないときに人々はさまざまな方法を用いて自分のやる気を調整ことが示されています。学習場面で考えると、例えば、「自分にはできると思い込む」「学習をやり遂げたときの自分を想像する」など自己効力感を高めることでやる気を出す方法、「学習内容を自分の興味関心に結びづけて考える」「学習内容が面白くなるように工夫する」など興味体験を高めることでやる気を出す方法、「終わった後の自分へのご褒美を考える」のような課題完成後の報酬を考えることでやる気を出す方法、そして「悪い成績を取りたくないと自分に言い聞かせる」のようなネガティブな結果を避けたい気持ちを喚起することでやる気を出す方法などがあります。

やる気の調整がもたらす効果

さまざまな方法を用いてやる気を調整することで積極的な学習への取り組みを導くことが示されています。具体的には、やる気を調整する方法を使うほど、学習を持続的に取り組むことができ、より多くの認知方略(理解や記憶を促進するための活動)を使用し,課題を先延ばしにしないことが明らかになっています。ただし,さまざまなやる気の調整方略は同じように効果があるのではありません。実際,悪い成績を取りたくない気持ちを喚起するような方略は、積極的な学習への取り組みを阻害することも示されています。また、やる気を調整する方法の効果は、個人の特徴や状況によって異なることもあります。さまざまなやる気の調整方略を知り、あなたの特徴や状況に合わせて、やる気の調整方略を柔軟に活用するとよいでしょう。

興味は見つかるものか?育てるものか?

興味が見つからないという悩みありますか?

興味が見つからないという悩みがよく耳にします。しかし,興味はどこから来て、どのように持ち続けられるのでしょうか。興味は見つかるものでしょうか。それとも、持続的な取り組みの中で育てるものでしょうか。

興味は育てるもの

興味は「あり」・「なし」の2分法で考えがちですが,実は興味が育てるものです。興味発達の初期段階では、ニュースやふと見かけた情景、偶然読んだ本など何かのトリガー(特定の内容や出来事)によって興味が湧いてきます。この興味は一時的なもので持続しない場合が多いのです。しかし、興味の対象を自分に関係づけ、自分にとって意義や価値があるものと感じたときに、興味が維持され、興味対象に再び取り組もうとします。そして、対象や活動に取り組む中で、興味の心理状態を繰り返し体験し、知識と価値が蓄積していきます。最終的には,ポジティブな感情、豊かな知識と価値によって特徴付けられてより安定した個人傾向としての興味が形成されます。

興味はいつでも育てることが可能

興味はどの年齢の人においても、発達可能です。いつからでも遅くはないのです。もし今のあなたは、さまざまな試みをしていても、まだ好きなことや情熱を持って取り組むことが見つかっていなければ、延々と新しいものを探索するのではなく、興味をじっくり育ててみてください。
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